経営再建中の三洋電機は22日、今後の事業再編方針を盛り込んだマスタープラン(全社事業戦略)を11月末に公表する方針を明らかにした。9月末までに社内の合意を得て、2カ月かけて大株主などと折衝する。
同プランでは事業の取捨選択を明確にする考えで、佐野精一郎社長は「これまでのやり方をいったんすべて白紙に戻して新しい三洋電機の全体像を示す。聖域を設けず、成長性と収益性を考える」と述べた。9月末までに大枠を策定し、大株主である米ゴールドマン・サックスや大和証券SMBC出身の副社長らを交えて、「取締役間でいろいろな角度から検証する」(佐野社長)という。
また、同プラン公表後、来年1、2月をめどに数値目標を盛り込んだ新中期経営計画(2008〜10年度)を発表する。
佐野社長は、三洋電機の取引金融機関から携帯電話やデジタルカメラ、エアコンなど不振事業の売却・撤退を求める声が上がっていることについて、「今は赤字でも3年間で黒字化でき、三洋のブランドに貢献するものであれば継続する」との認識を示した。
このほか、過去の単体決算で不適切な会計処理があったとされる問題では、これまでに検察OBらによる外部調査委員会が数回にわたって開かれたもよう。創業家出身の井植敏元会長ら関係者の事情聴取もあり、三洋は外部調査委の報告を受けたうえで、マスタープランとほぼ同じタイミングで訂正決算を開示する方針だ。
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