Webマーケティングガイドでは、インターネット動画広告に関する調査を企画し、株式会社エルゴ・ブレインズが運営するターゲットリサーチのリサーチパネルに対してインターネット調査を行った。
前回のインターネット動画広告に関する調査(中)では、インターネット動画広告への印象や商品購入経験、さらに具体的な購入ジャンルについて調査したが、今回の調査ではインターネット動画広告を他のメディアと比較して、そのユーザー認識を探った。
すると、約15%のユーザーが商品購入で最も影響を受ける広告にインターネット広告と回答していることが分かった。
今回の調査対象は、16〜49歳の男女で、インターネット動画広告を見たことがあるインターネットユーザー322人。男女比は男性が42.5%、女性が57.5%となった。
Q1で商品やサービスの購入に最も影響を受ける広告は何かを尋ねたところ、「TVCM」が47.5%と他の広告に圧倒的な差をつける結果となった。次いで、「雑誌広告」が13.4%、「雑誌広告」が7.8%と続いた。
注目すべき点は、最も影響を受ける広告に「インターネットの静止画広告」が7.5%、「インターネットの動画広告」が7.1%あげられたという点で、インターネット広告でくくった場合、その割合は14.6%となり2位の雑誌広告を凌いでいる。
近年、インターネット広告費は広告全体の費用の推移から見てもその成長が著しく、それに伴いユーザーの広告に対する認識や意識が変化していることが伺える。
また、TVCMがマスメディアとしてその地位を不動のものにしている一方、ある程度ターゲットが決められる広告というくくりでは、雑誌広告や新聞広告よりもインターネット広告がユーザーへ認知されやすくなっていると言えるのではないだろうか。
Q2では、TVCMとインターネット(動画)CMについて、同じCMが流れていたら大体何回位見ると印象に残るのか尋ねた。
すると、TVCMでは「1〜2回」が24.5%、「3〜4回」が41.0%となり、インターネット(動画)CMでは「1〜2回」が31.7%、「3〜4回」が37.6%という結果になった。
4回以下で考えてみると、TVCMが65.5%、インターネット(動画)CMが69.3%となり、TVCMと同様に認知されやすいということが分かる。
この理由の1つとしては、TVCMがユーザーにとって『受動的』な広告メディアであるのに対して、インターネット(動画)CMはユーザーが興味・関心のあるジャンルをクリックし、その際に流れる『能動的』な広告メディアであることが多いため、ユーザーが認知しやすいのではないかと考えられる。
TVCMは認知向上の面では圧倒的に強いメディアだが、近年クライアントはTVCMの広告効果が薄れてきている(費用対効果が分かりにくい)ように感じているようだ。それは、ただTVCMによってユーザーに認知させるだけではなく、新規獲得数や販売数を高めるなどの売上に直結するようなプロモーション戦略が必要だという認識にシフトしてきているからかもしれない。
そして、その為にはターゲットをセグメントできるインターネット広告を活用し、目的によって広告媒体を使い分けていくことが重要であり、TVや新聞、雑誌、ラジオで認知度や露出度を高め、インターネット広告で自社サイトへ誘導し、商品購入や新規獲得に結び付けていくクロスメディア戦略が頻繁に行われるようになってきている。
今後、クロスメディア効果を期待するクライアントの割合が高まれば、インターネットCMの利用は多くなると考えられる。[参照元:ネット広告の流れからマス広告を見る(CNET Japan)][参照元:【ヤマハ】ネットはすべての広告のハブ的存在(excite.WebAD Times)][参照元:新しい広告形態「動画」によって、インターネット広告はどう変わる?(excite.WebAD Times)]
Q3では、インターネット(動画)CMの満足点と不満足点について自由回答形式で尋ねた。
その結果満足点として、「見たいときに見られる」が50人と最も多く、次いで「分かりやすい」と「商品が分かりやすい」がそれぞれ25人と続く結果になった。
不満足点に関しては、「邪魔である」が48人と最も多く、次いで「CMが長い」が27人、「回線によって重い」が21人と続く結果になった。
インターネット(動画)CMは、TVCMと異なり自由に何度も見ることができるリピート機能があり、画面を拡大・縮小、一時停止して商品をじっくり見ることが可能であるなどの理由により、ユーザーがプラスの印象を抱いていると考えられる。
更に少数ではあるが、「そのまま商品のHPに行くことができる」や「直接購入できる」とインターネットならではの利点も、ユーザーの手間が省け、満足のいく理由の1つに挙げられている。
その一方、インターネット(動画)CMにまったく興味のないユーザーにとっては、単なる障害物になる恐れがあったり、画像や音量の精度が良くない、PC環境の良し悪しによって見られないなどのマイナス意見も目立った。
インターネット(動画)CMは、現時点でまだ発展途上にあると言えるが、今後この調査で分かったユーザーの不満足点をプラスへと転換していくことが、ユーザーのインターネット(動画)CMへの興味・関心を喚起させるきっかけになるのではないだろうか。
今回の調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業界やそれぞれのシチュエーションに合ったリサーチにご興味をお持ちの方は、
お気軽にお問合わせください。
サンプル数 :322
調査期間 :2007年06月07日(木) 〜 2007年06月11日(月)
調査方法 :インターネットリサーチ
調査機関 :ターゲットリサーチ
対象者 :16歳〜49歳の男女
本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。
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