このところのネットにおける犯罪活動は、単に「Outlook」の連絡先リストを盗み取ろうとするだけではなく、コンピュータそのものを乗っ取ろうとする。だから、攻撃者はユーザーのコンピュータに最初にアクセスした際、チャンスを逃さず、遠隔地からのアクセスを可能にするトロイの木馬をダウンロードしようとする傾向にある。Symantecによれば、この6カ月で、こうした「ボット」の感染件数がそれ以前の6カ月より29%増加したという。そのため、Symantecは新しいアプリケーション「Norton AntiBot」を市場に投入しようと急いでいるのだという。
今日、大半のアンチウイルスアプリケーションが、スパイウェアやマルウェアに対する保護機能を提供しているが、こうした脅威を取り除いても、新種のウイルスやウイルスの亜種に対しては脆弱である。たとえば、アクセスしたウェブサイトに、訪問する度に違う種類のトロイの木馬をダウンロードする不可視のiframeが仕掛けられていたとしよう。Symantecはこうした行動に注意し、プロアクティブに対処することでコンピュータを繰り返しの攻撃から守ることのできる新しい行動ベースの技術をライセンスしてきた。
Norton AntiBotはSymantecの既存の「SONAR(Symantec Online Network for Advanced Response)」技術を補完する。SONARは、ビヘイビアを監視し、ブロックする機能である。Symantecは、2006年にWholeSecurityからこれを買収した。この技術は現在、「Norton Antivirus」「Norton Internet Security」「Norton 360」に利用されている。
Norton AntiBotのパブリックベータは、同社ウェブサイトからダウンロードすることができる。サイトには、使用する際の注意事項が掲載されている。しかし、価格やリリース時期に関する情報は本稿執筆時点では掲載されていなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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