米国2番手の携帯電話キャリアであるVerizon Wirelessは、Princeの最新シングル「Guitar」のデジタルコピーを無料でユーザーに配布する。これは、きたるモバイル音楽分野でAppleと戦うための体制作りといえる。
Verizonは米国時間5月31日、自社の「VCast」サービスを通じてPrinceの楽曲「Guitar」を独占提供することを発表した。同サービスの加入者はGuitarを無料でダウンロードできるという。Guitarは、Princeの次期アルバム「Planet Earth」に収録される予定のシングルだ。
Verizonの今回のコンテンツ独占提供は、AT&Tに対抗するための大きな戦略の一環である。AT&Tは大きく期待されているAppleの「iPhone」を6月に発売開始する予定だが、VerizonはiPhoneキラーとなる端末を持たない。そこで、同社はモバイル音楽ストアを売り込んでいる。この音楽ストアは現在、190万曲以上をカタログに持っている。
AT&Tの加入者は、iPhoneを使用して人気の「iTunes Store」にアクセスできるが、VerizonのVCastのように楽曲をワイヤレスでダウンロードすることはできない。Verizonは、この付加的な利便性が魅力となり、顧客はAT&Tではなく自社サービスを選択するだろうと期待している。
「音楽の未来はモバイルにある」とVerizon Wirelessのデジタルメディア担当シニアバイスプレジデントであるJohn Harrobin氏は言う。「われわれの独自調査によると、ダウンロードされた楽曲の95%が、PC経由ではなくワイヤレスによるダウンロードであることがわかった」とHarrobin氏は続けた。
この戦略の一環として、Verizonは「Song ID」というサービスすを新しく立ち上げた。楽曲が再生されている際、スピーカーに端末をかざすだけでその楽曲を認識することができるサービスだ。ユーザーは認識させた楽曲のフルトラック版を即座に購入することが可能だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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