Sun Microsystemsは、「OpenSolaris」OSをLinux型の便利で利用しやすい「ディストリビューション」としてパッケージ化することを目的としたプロジェクト(コード名「Indiana」)の概要を明らかにした。
SunのプログラマーであるGlynn Foster氏の米国時間5月30日付けのメーリングリストへの投稿によると、「このプロジェクトは、OpenSolarisコミュニティー内で開発された技術に容易にアクセスできるようにすることにより、ボリューム市場におけるユーザー数の増加とマインドシェアの拡大を長期的目標にかかげたOpenSolarisのバイナリディストリビューションを構築しようとするものである」という。
コンピュータではバイナリソフトウェアを実行することができる。開発者らはソースコードをバイナリソフトウェアに変換することができるが、普通のコンピュータユーザーには、そのための時間、専門知識、興味がない場合が多い。無償版のLinuxは通常、バイナリの形式でダウンロードされ、それをCDに書き込み、インストールできるようになっている。
既に報じられているように、Indianaプロジェクトの主な目標は、Linux愛用者の比較的大多数にとってなじみのないSolarisを、もっと知ってもらおうというものである。Indianaは、「同プラットフォームを新しく利用するユーザーに対しては親しみを持ってもらうと同時に、現在Solarisを利用しているユーザーにも互換性のあるものにすることを目的にする」とFoster氏は述べている。
OpenSolarisは、SunのSolaris版Unixを改善することを目的としたオープンソースプロジェクトで、開発者らを取り込むことで最終的にはより多くのユーザーを獲得することを目的としている。しかしOpenSolarisコンポーネントは、OS全体には相当しない。
Linuxの世界では、ディストリビューションといえば、ユーティリティ、プログラミングツール、グラフィカルインターフェースコンポーネント、さらにはワープロといった高レベルソフトウェアやOSカーネルなどのコアコンポーネントで構成されたものである。これらのコンポーネントの中にはGNU(Gnu's Not Unix)プロジェクトから派生したものもあり、Nexentaという名のGNUベースのSolarisディストリビューションの構築を既に開始しているプログラマーもいる。
Foster氏によると、Indianaは1枚のCDに収まり、6カ月ごとに更新されるという。「ユーザーの使用性を重視することにより、これが広く普及して、OpenSolarisエコシステムが拡大し、同プロジェクトに貴重なフォードバックが返ってくることを期待している」(Foster氏)
Foster氏は、同プロジェクトは草の根活動的で、ユーザーの合意によって進行するものではあるが、「Ian Murdockという単一の調停者となる人物が必要になることもあるだろう」と述べた。Murdock氏はSunの最高執行責任者(COO)であり、Linuxディストリビューションである「Debian」の創設者である。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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