筑波大学発ベンチャーでサーバーの遠隔管理サービスを展開する、つくばセキュアネットワークリサーチ(TSNR、茨城県つくば市)は、昨年10月に無料配布を始めたネット詐欺対策ソフト「ウェブサイトチェッカー」に新機能を追加した。新たに米IT(情報技術)ベンチャーのマックスマインドが提供するサービスを利用し、接続しようとするサーバーの組織名や所在地が表示できるようにしたことで、サイトの真偽を確かめる「フィッシング詐欺」防止機能を高めた。機能向上で自社知名度のアップを図り、顧客拡大を目指す。
ウェブサイトチェッカーは、無料でダウンロードすればウィンドウズやそのほかのパソコンOS(基本ソフト)上で、ブラウザ(閲覧ソフト)を使ってサイトに接続する際に、本当に登録されているサイトかどうかを確認できる。TSNRではこれまで、同社が管理する対応表を使って、サイトの真偽などを知らせていたが、今回、組織名や所在地も表示できるように機能アップし、一段と信頼性を高めた。
サイトの真偽の確認にはサーバー証明書というサービスもあるが、悪意を持ったサイト運営者が自らを本物と主張するために証明書を取得することも可能。これに対し、ウェブサイトチェッカーは、第三者的に真偽を判断するため「より中立的だ」(TSNR)という。
TSNRによると、これまで半年で数万件のダウンロードがあり、毎日数百回のチェック利用があった。今回の新機能追加により、ダウンロード数と利用回数ともに10〜100倍程度の増加を目指す。
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【用語解説】フィッシング詐欺
不特定多数に電子メールを送付し、本物とそっくりのホームページ(偽サイト)へ誘導して、個人情報を入力するように仕向ける。入手した情報により、ネットオークションなどで現金や商品をだまし取る詐欺の手口。人間にわかりにくいIPアドレス(コンピューターの住所にあたる数列)を表示して偽サイトに誘導する方法や、パソコンの中にあるURL(住所を示す表記方法)とIPアドレスを対応させる「hostsファイル」を書き換える手法などがある。
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