ベンチャー企業の未来予想図に欠けた管理部門を支援する - (page 2)

将来的には学校設立も

──内部統制ASPというツールの提供もしていますね。

 「MIRAIZベータ版」ですね。このASPの特徴は、人事情報をインプットし、予算と実績管理をアウトプットしているところです。ベンチャー企業が整備しなければいけないところを手取り足取り教えるよりも、仕組みを作って、すべてナビゲートできるシステムを作りました。これを使って運用を合わせていくと、内部統制、管理部門は一通り70点は取れます。

 20人以上は有料ですが、我々の顧客は20人以下をターゲットとしているので、事実上無料になっています。導入していただければ、我々の顧問料も下がります。顧問でない人も使って下さっているので、営業の販促ツールにもなっています。

──資金調達の事業も行っていますが、こちらが収益のメインなのですか。

 人と仕組みは完備したので、次に我々が提供しているサービス「資金調達.bz」を使って、ベンチャー企業と投資家のマッチングサイトをオープンしました。我々が仲介し、手数料を取るというのは事業ドメインとしてあります。投資する側には、良い投資先が見つけられない、本当に大丈夫かという懸念があります。我々が間に入って、目利きをしてマッチングしていくわけです。他人の資本が入ると、モニタリングしたくなります。管理部門を未来予想がやって間に入っていれば、信用度も見えるわけです。

 これは我々の収益にもなると思いますが、収益の核は顧問料です。その中のベースとして、必要な資金を調達して手数料をいただくのであり、システムをコンサルするのと同じく、アドオンのビジネスです。資金調達が多ければ顧問料を上回ってしまうわけですが、それはあくまでも数字であって、仲介だけの事業はやりたくない。顧問がメイン事業で追いかけていく部分。資金調達は付いてくる部分です。

──代表取締役COOの庄子素史氏がパートナーですが、出会いの経緯は。

 庄司は前職の同僚でした。彼は入って半年ほどで辞めてしまいましたが、お互いに気が合っていました。彼は僕にないところを持っていたんです。

 庄司のビジョンは社会貢献。目先の利益よりもベンチャーの意義、人材育成、教育などに思いが強い人です。僕は、お金まわり、儲け、ゼロイチで判断する感じだったのですが、彼のおかげで社会的意義を考えられるようになり、目の前の利益、多少の赤字でぶれることはなくなりました。

 2人のバランスはいいと思います。僕がベンチャーの経験が多く、彼は大企業を知っている。ベンチャーを対象としていると僕の経験値が生かされますが、ふとしたところで庄司の大企業の経験が生かされることが出てくるんです。大企業では、若いうちに徹底して教育を施されるんです。ベンチャーの場合は技を盗めという職人的なところがありますからね、これはまったく育ちが違うわけです。50人を超える会社は組織的に仕切らなければならない。そういうときには庄司の経験が生きてきます。

──創業期は終わり、二期に入ってどのようなビジネス戦略を取っていきますか?

 二期は成長期にしていきます。もちろん、上場します。5年後にはコードが張られているという状況をターゲットにしています。上場の仕方についてはいかようにもできますが、まずはイグジットとして上場して、適正な利益を出し、目に見える形で社会に還元していきたいです。

 庄司はビジネスマンを養成し、経営企画で実務のできる学校を設立したいと言っています。

 来年の今頃のイメージとして、従業員を20名から25名に増やす予定です。顧問数が50から70へ、その中から上場準備軍は10〜20%になっていると思います。

 将来的には投資にもチャレンジしていきたいです。この投資は、キャピタル的なものでなく、育成のためのものです。管理部門を活かした投資を考えています。

──御社は事業そのものがベンチャー市場と連動しているわけですが、市場は今後伸びていくと考えていますか。

 ベンチャー起業家が増えるかはわかりませんが、終身雇用は減っていますね。正社員でなく、派遣、契約が増えているのは事実です。日本ではまだ複数の会社で働くというのは認められていませんが、いづれ訪れると思います。誰かに忠誠を立てて働くのではなく、独立的なワークスタイルが間違いなく増えていくでしょう。これって、ベンチャースピリットですよね。また、税理士法人のような例で、個人で動く人達を一つの固まりにするという法整備になってきています。ベンチャー起業という位置づけの人は、これからどんどん増えていくと思います。

 会社の2/3がベンチャーになったら、そのうち「ベンチャー」という言葉が変わって、別の言葉が生まれてくるかもしれませんね。我々は、その人達を支えていきます。

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