今回のテーマは「ダイナミックパッケージの認知・利用意向調査」。
宿泊・航空券を自在に組み立て、自分だけの旅行プランをインターネットで一括予約できるサービス「ダイナミックパッケージ」について、プライベートの海外旅行に対象を限定した上で、認知度および利用意向を探った。
今回の調査は4月13日〜4月16日で行い、全国の1074人の男女(19歳以下17.42%、20歳代19.83%、30歳代17.60%、40歳代17.32%、50歳代16.85%、60歳以上10.99%)から回答を得た。
プライベートでの海外旅行経験者726人のうち、ダイナミックパッケージを知っていた人は6.20%、「聞いたことはあったが詳しくは知らなかった」人は15.98%にとどまり、77.82%の人は「知らなかった」と回答している。さらに利用状況を尋ねたところ、利用経験者はわずか0.69%で、92.70%が「利用を検討したこともない」という結果となった。
マスコミでは話題となることの多いものの、まだまだ一般消費者への浸透が課題とされるダイナミックパッケージ。それでは、商品のどのような点が、消費者にとって訴求効果が高いのだろうか。全員にダイナミックパッケージを取り扱っているサイトを閲覧してもらった上で、商品特性に魅力を感じるかを尋ねたところ、「訪問先選びの自由度が高い」「予約照会がリクエスト待ちをせずその場でできる」「ホテル選びの自由度が高い」などに魅力を感じる人が多かった。
一方で、ダイナミックパッケージのメリットとしてネット上で全ての手続きが完了することがあげられるが、付随サービスとして必要だと思うものを尋ねたところ、「現地での、電話によるトラブル対応」が94.22%、「予約に関する、電話での相談受付」が78.65%、「決済とチケット渡しを、予約の最終確認をしながら店頭で行ってくれるサービス」が67.63%と、リアルなコミュニケーションによるサービス補完のニーズも高いことがわかった。
インターネットでの海外旅行購入経験者225人に、インターネットで海外旅行を申し込む際に不安を感じるか尋ねたところ、3割の人が「不安や抵抗は感じない」とする一方で、「予約がきちんと取れているか不安」46.22%、「金銭の詐取が不安」31.11%と、7割以上の人が何らかの不安を感じている。このような不安を払拭することも、今後のダイナミックパッケージ利用拡大を進めるにあたっての課題と言えるのかもしれない。
ダイナミックパッケージを利用したことがない721人に、サイトを閲覧してもらった上で今後の利用意向を尋ねたところ、「利用したい」が、55.90%と過半数を占めた。認知度は低いが、認知さえ高まれば、マスコミで取り上げられているように、2007年のヒット商品となる可能性もある。一方で、店頭販売が必要とされなくなっていくかと言えばそうでもなく、「疑問や問合せに対して、丁寧に回答してくれる」のであれば、59.92%、「希望の商品が満席などで予約できなかった時、すばやく的確な代案を提示してくれる」のであれば54.13%の人が、今後もネットだけではなく店頭での対面販売も利用したいと回答している。
ネット専業と大手旅行各社が顧客獲得に向けてしのぎを削るダイナミックパッケージ。多様化する個人旅行需要をどれだけ取り込めるのか、今後のゆくえが注目される。
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