Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイル動画に関する調査を行った。
今回の調査対象は、10代〜40代のモバイルユーザー300人。 男女ともに、10代、20〜34歳、そして35〜49歳で均等割付けを行った。 また、キャリア比はDoCoMo:54.7%、au:35.3%、SoftBank:10.0%となっている。
まずQ1では、モバイル動画とワンセグ放送の視聴経験について尋ねた。 その結果、モバイル動画に関しては、「見たことがある」という回答が最も多く44.0%、次いで「見たことはない」が42.3%の僅差で続く結果となった。
モバイル動画は、「見たことがある」ユーザーが「見たことはない」というユーザーを上回っていることから、ある程度浸透していると思われるが、そもそもモバイル動画が「わからない」と回答したユーザーも13.7%いることを考慮すると、モバイル動画の総合的な非視聴経験者は56.0%となり、半数以上のユーザーはまだモバイル動画を見たことがないという結果となった。
同様にワンセグ放送の視聴経験をみると、ワンセグ放送はモバイル動画よりも普及が進んでいない結果となった。最も回答が多かったのは、「見たことはない」で64.7%と、モバイル動画のそれを20%以上も上回り、「見たことがある」という経験者は30.0%と、全体の3割に止まった。また、若干ではあるがワンセグ放送を「わからない」というユーザーも5.3%存在しており、サービスの提供から早1年が経過したワンセグ放送ではあるが、そのサービスの普及率は伸び悩んでいるのではないかと考えられる。
また、ワンセグ放送をめぐっては“視聴率調査”という別の問題も抱えている。視聴率はテレビの広告料に影響し、テレビ番組の評価にもつながる重要な指標となるものだが、現時点ではワンセグ放送の視聴データを把握することは難しく、ワンセグ放送が通常のテレビ放送に取って代われば代わるほど、テレビ番組を正確に評価することが難しくなってきてしまうのである。
ビデオリサーチでは、モニターにワンセグ端末で何を見たかを日記で記録してもらう方法などを採用し、視聴データを収集はしているものの、テレビで行っている視聴率調査とは性質の異なるものであることは否めない。ワンセグ放送については、モバイルユーザーへの普及という問題だけでなく、企業側にとって必要なシステムの構築にも課題が残っていると言えるのではないだろうか。〔参照:「ワンセグ視聴率調査、4年後のW杯で実現?」(Nikkei Net)〕
Q2では、Q1でモバイル動画を「見たことがある」と回答した134人に対して、どのようなジャンルのモバイル動画を見ることが多いかを尋ねた。 その結果、圧倒的に回答が多かったのは「音楽」で60.4%となり、これは2位以下に20%以上の差をつける結果で、ユーザーの興味関心が非常に高いジャンルであることが明らかになった。
次いで回答が多かったのは、「自分や知人が携帯カメラで撮った動画」で33.6%となっている。 携帯電話の性能は日々向上しており、画質や録画時間に関して大きく進歩しているだけでなく、その画像をアップロードするプラットフォーム(SNSや動画共有サービスなど)も日に日に充実してきている。
「自分や知人が携帯カメラで撮った動画」という回答が30%を超え、「ニュース」(17.2%)や「アニメ」(16.4%)、そして「お笑い」(16.4%)といった他のジャンルを押さえ2位に位置していることは、情報を受けるだけでなく、自らも発信するという双方向のコミュニケーションが浸透してきていることに他ならないのではないだろうか。もちろん、視聴にかかる金額など他にも加味する必要がある項目は多々あるが、上記したユーザー、そして市場の変化が今回の調査結果には大きく影響しているのではないかと考えられる。
Q3では、Q2同様にQ1でモバイル動画を「見たことがある」と回答した134人に対して、どのようにモバイル動画を見つけたかを尋ねた。その結果、「検索エンジンを利用して」という回答が最も多く58.2%と、半数を上回る結果となった。次いで、「メールマガジンからの紹介」が34.3%、「友達や友人からの紹介」が33.6%と続いた。
Webマーケティングガイドが行った「10代女性に関する調査(下)-10代女性は公式メニューより検索エンジン!?-」でも、【画像・動画】を「検索エンジン」で探すと回答したユーザーは77.8%となっており、「公式メニュー」の22.2%を大きく上回る結果となっている。
また、注目すべきは「メールマガジンからの紹介」という回答が34.3%と意外にも多いことである。 スパムメールが蔓延るようになってしまった近年においては、PC、携帯電話を問わずメールマガジンの効果について疑問を唱える声も少なくない。しかも、携帯電話はPCとは異なり、メールアドレスを頻繁に変更するユーザーも少なからずいることが、メールマガジンを使ったプロモーションやCRM活動の大きな障壁の一つとなっている。
しかし、上記結果からもわかるように、ユーザーはメールマガジンで送られてくるお得情報や新着情報を有効活用しているという事実もあるのではないかと考えられる。
次回「モバイル動画に関する調査(下)」では、モバイル動画の視聴意向(未来)と、その料金に関するユーザーの考えについて迫っていく。
本調査は、業界の全般的な調査となっております。
あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。
業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。
サンプル数 :300
調査期間 :2007年04月18日〜2007年04月20日
調査方法 :モバイルリサーチ
調査機関 :ネットエイジア株式会社
対象者 :10代〜40代までのモバイルユーザー
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