VAIO 「type G」は、他のVAIOシリーズと同様に、一般の店頭で販売される店頭モデルと直販サイトなどで注文が可能なVAIOオーナーメードモデルに大別できる。今回登場した夏モデルは、基本的にマイナーチェンジモデルであるが、VAIOオーナーメードモデル『VGN-GA1BNS』で、HDDの代わりに32Gバイトのフラッシュメモリを選択できるようになった。ソニーは、昨年、世界初のフラッシュメモリ搭載ノートPC VAIO 「type U」<ゼロスピンドル>モデル」を発売しており、今回のVAIO 「type G」で2製品目となる。フラッシュメモリは、HDDに比べて、重量が軽く、アクセス速度も高速であり、消費電力も少ない。
また、HDDと違って、機械的に動作する部分がないので、耐衝撃性も非常に高い。このようにフラッシュメモリにはさまざまな長所があり、モバイルノートPCのストレージデバイスとしては最適なのだが、コストなどの問題から、HDDの代わりにフラッシュメモリを搭載したノートPCは非常に少ない。VAIO 「type U」<ゼロスピンド ル>モデル」は、いわゆるUMPC(超小型PC)であり、携帯性は非常に高いが、液晶画面やキーボードが小さいため、長文の入力などがやや難しい面もあった。しかし、12.1インチ液晶を搭載したVAIO 「type G」は、キーボードも大きく、仕事の道具として活用できる実用性を備えている。
VAIO 「type G」の春モデルについては、過去にレビューしているので、詳しくはそちらを見ていただくことにして、ここではモデルの特徴を紹介する。VAIO 「type G」は、1スピンドルモデルと2スピンドルモデルがあり、前者は12.1インチ液晶搭載ノートPCとして世界最軽量となる約898gを実現していたが、今回登場したフラッシュメモリ搭載モデルは、約859g(光学ドライブなし、バッテリーパック(S)、メモリー1GB(オンボード)搭載時)という超軽量ボディを実現、世界最軽量記録を大幅に更新した。従来のHDDモデルも非常に軽かったが、フラッシュメモリ搭載モデルの軽さは、まさに驚異的だ。常に持ち歩いても、負担にならない重量を実現しているといえるだろう。
フラッシュメモリの利点は、軽量化だけではない。HDDは、データの読み書きを行う際に、ヘッドを目的の位置まで動かす必要があるが、半導体であるフラッシュメモリでは、機械的に動作する部分はないので、ヘッドのシーク時間が不要である。そのため、HDD搭載モデルに比べて、OSやアプリケーションの起動時間が短縮される。40Gバイト HDD搭載モデルとの比較では、Windows Vista Businessの起動時間が約45秒も短縮されたほか、Outlook 2007やWord 2007の起動時間も1〜2割短くなった(ソニー調べ)という結果が出ている。
実際に試用してみたが、Windows Vistaの起動が高速なだけでなく、アプリケーションの起動もキビキビしており、非常に快適であった。
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