「海外」意識した若き技術者の集う企業風土目指す--新生ライブドア本格稼動へ

島田昇(編集部)2007年04月03日 12時04分

 ライブドアは4月2日、新経営体制および新サービスの発表を行った。インターネット事業に経営資源を集中させる組織体制に刷新。日本発のネットサービスを海外展開する構想など、優秀な技術者が集まる企業風土作りを軸に展開する。

 ライブドアグループは同日より、グループの組織体制を持ち株会社制に変更。持ち株会社「ライブドアホールディングス」(LDH)はグループ会社の管理とフジテレビジョンからの賠償訴訟問題など訴訟管理に集中し、インターネット事業の運営に特化した“新生”ライブドアおよびそのほかのグループ会社は、事業会社としてそれぞれ本業に注力する。

画像の説明 左からライブドアホールディングス社長の平松庚三氏、ライブドア社長の出澤剛氏、ライブドア副社長の照井知基氏

 会見冒頭でLDH社長の平松庚三氏は、2006年1月に東京地検が強制捜査に入ってから急きょ社長としてグループを率いてきた1年強を振り返り、「やっと新しいスタートラインに立てた」と新組織体制開始に対する感想を述べた。

 今後は「二度と(証券取引法違反などの)同じ過ちを犯さない」(平松氏)と企業統治と法令順守の継続した強化を改めて誓う一方、「元気なテクノロジーカンパニー」(同)、「Web 2.0世界のリーダー」(同)として技術力とオープン型のサービスを軸とした事業に経営資源を集中。LDHの再上場については、「再上場は難しい問題。安易に再上場を目指そうとは思っていない」とコメントした。

 新生ライブドアについては社長に就任した出澤剛氏が登壇し、ポータル運営など「メディア事業」とデータセンター運営など「ネットワーク事業」に絞り込んだ事業戦略を解説した。

 メディア事業では利用者が過去2年間で約800万人増とほぼ一貫して増加傾向にあることや、ピーク時の3分の1にまで落ち込んだ広告収入がピーク時の70%にまで回復していることを強調。ストレスの少ないサイト閲覧を支援しているというネットワーク事業との相乗効果による経営合理化が行えるとし、2007年9月期までに単月黒字化、翌2008年9月期には通年黒字化、2009年9月期には売上高100億円を目指す。

 消費者生成型メディアサービスにおいては、「国内で1位ないし2位」(出澤氏)であるとして、今後、「Open & Share」を標語に同領域における取り組みを強化していく。

 具体的にはまず、初心者層を狙った新たなブログサービスや法人向けブログシステム販売、RSSリーダーの海外展開などを4月内に展開する。

 新ブログサービス「PRAC」(仮称)は、ブログの記事データに付加価値を付けて、コミュニティ機能強化と広告価値を向上するというもの。例えば、グルメ情報について書いている記事など類似記事を分類、整理することにより、関連情報を発信している人同士のコミュティが発生しやすいようになる。類似記事が分類、整理されることにより、広告媒体としての価値も向上すると見ている。

 ブログシステム販売については、ブログサービス展開により蓄積されたノウハウをベースに、これを法人向けソリューションとして販売するというもの。RSSリーダーについては、「今後、ポータルや検索エンジンに変わるスタートとページになる」(出澤氏)とし、サービスに対する自信と将来性から海外展開を視野に入れた提案を積極化していく。

※次ページに出澤氏とCNET Japanによる一問一答を掲載

画像の説明 初心者層を意識しつつブログとソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の要素を兼ね備えた新ブログサービス「PRAC」の概要

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