子会社アイ・エックス・アイ(IXI)の不正取引疑惑に揺れるインターネット総合研究所(東証マザーズ市場上場) の株式が、3月30日付で監理ポストに割り当てられた。今後は東京証券取引所が上場廃止基準に該当するかどうかを判断することになる。
今回の監理ポスト割り当ては、子会社であるIXIに不正取引の疑いが見られることから、監査法人トーマツがインターネット総合研究所の2006年7月1日から2006年12月31日までの中間連結財務諸表および中間財務諸表に対して、意見を表明しなかったことに起因する。
インターネット総合研究所はすでにIXIにおいて不正、粉飾取引が行なわれていた可能性が高いと判断しているが、架空循環取引を特定すること、完了した取引を過去に遡って修正するための事実究明が困難であることから、IXIグループの決算を暫定的に損益ゼロとして取扱う方向で会計処理を進めてきた。この作業はトーマツとも確認を取りつつ行われたとのことだが、結果的に意見表明は得られなかったようだ。
同社は「結果責任ということもあるため、完全に被害者とは言えない」としながらも、事実関係が明らかになった時点で法的対処に打って出る方針。意見不表明が下されたことの主な要因については、IXIの決算が過去の訂正を含め確定されていないことに尽きるとしている。
なおインターネット総合研究所は、すでにIXIの全株式をOSC企業再生に無償譲渡している。同社はこれまでも株式を保有していただけの親会社だったとしているが、今後は財務的にも完全に無関係となる。そのため、IXIの決算が訂正されるか否かに関わらず、翌期以降の損益への影響は無い見込みとしている。
また、東証2部に上場していたIXIは、不正取引が原因で119億円の負債を抱えるなどし、1月21日に民事再生法の適用を申請。2月22日付けで上場廃止となった。こうした一連の流れを受けてSBIホールディングスは、親会社のインターネット総合研究所の買収を白紙撤回するといったこともあった。
監理ポストに割り当てら得れるという発表は大引け後だったが、インターネット総合研究所の株価は3月30日の取引を終えて、前日比1250円安(4.5%安)の2万6550円に急落した。
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