学生のアルバイト探しに関する調査(下)--PCの検索では「アルバイト」、モバイルでは「バイト」!?

Webマーケティングガイド2007年03月30日 13時00分

 Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、学生のモバイル求人サイトに関するモバイルリサーチ調査を行った。

 その結果、モバイル検索はPCのそれとは異なり、検索キーワードを簡略化する傾向にあることがわかった。

 今回の調査対象は、15歳以上〜22歳以下の学生モバイルユーザー300人で、男女比については50%ずつの均等割付けを行った。キャリア比はDoCoMo:43.3%、au:44%、SoftBank:12.7%となっており、年齢比は15〜18歳:36.3%、19〜22歳:63.7%となっている。また、高校生:100人、短大・専門学生:100人、大学生:100人の均等割付けも行った。

 まずQ1では、第1回学生のアルバイト探しに関する調査(上)で携帯電話を使ってアルバイト情報を探したことがあると回答したユーザーに対して、アルバイトの求人サイトを探す際、どのような検索キーワードを入力するかを尋ねた。

 その結果、最も回答数が多かった検索キーワードは「バイト/アルバイト」で25%となっており、全体の4分の1を占め、次いで、「期間や時間(例.短期、早朝など)」で21%、そして「地域や駅名」の18%と続く結果となった。

アルバイトの求人サイトを探す際、どのような検索キーワードを入力するか

 回答率が最も高かった「バイト/アルバイト」であるが、バイトとアルバイトの回答比率は、「バイト」が45.8%、そして「アルバイト」が54.2%となっており、入力が簡単である「バイト」よりも「アルバイト」の方が検索数が多い事がわかった。

 参考までにPCにおける検索数ランキングを見てみると、やはり「バイト/アルバイト」の検索数は非常に多く、2007年2月における2つの検索数は「バイト」が191,096、そして「アルバイト」が 415,766となっており、両者の合計は606,862回(バイト:31.5%、アルバイト:68.5%)となっている。
参照:「キーワードアドバイスツール」(オーバーチュア)

 ここで一つ注目すべき点は、モバイルとPCでは検索キーワードに関して異なった特徴が見られるということである。PCでの実際の検索数とリサーチでの回答を単純に比較することは出来ないが、上記したようにPCではバイトが29.8%、アルバイトが70.2%となっているのに対し、モバイルでは45.8%(バイト)と54.2%(アルバイト)という結果となっているため、仮説としてPCではバイトとアルバイトの検索比率に大きな開きがあり、モバイルはPCに比べ"バイト"の検索比率が非常に高いのではないかと考えられる。

 これはモバイル検索がPCのそれに比べ、キーワードを入力することに多少の面倒がともない、多くのユーザーは「アルバイト」ではなく、その省略形である「バイト」と入力する傾向にあるためではないかと考えられる。

 今回の調査データは、アンケートリサーチをもとにしたものであり、あくまでも傾向値を表わすものに過ぎない。さらに、学生に限定した調査を行っているため、一概にPCの検索ワードの傾向と比較することは出来ないが、もしこの仮説が正しいのであれば、モバイル検索はPCに比べ検索ワードが省略される特徴があると言えるだろう。

 また、他の検索ワードとしては「期間や時間」や「地域や駅名」と回答したユーザーが合計で40%近くにもなった。しかし、このユーザーはモバイル求人サイトを検索する際に「これらの条件だけで、検索は十分に出来る」と考えているのか、それとも「アルバイト(バイト)という検索ワードを入力することを前提にしているのか」を確認する必要があるだろう。
 もし、多くのユーザーが前者のような考えを持っているのであれば、まだまだ学生のモバイル検索リテラシーは不十分であると言わざるをえないし、検索ワードを「2語以上」入力したユーザーが7.6%と非常に少なかったことからも、モバイルリスティングを導入する際はユーザーの検索リテラシーを考慮する必要が往々にありそうだ。

 Q2では、サイト内でアルバイト情報を探す際に、どのようなカテゴリーから探すことが多いかを尋ねた。その結果、「エリア(居住地域など)」という回答が最も多く59%となり、半数以上を占める回答結果となった。また、「条件(時給など)」と回答したユーザーは40%、そして「職制(派遣など)」は1%という結果となった。

サイト内でアルバイト情報を探す際に、どのようなカテゴリーから探すことが多いか

 多くの求人サイトでは、様々な検索方法が用意されておりユーザーの利便性は非常に高まっていると感じられる。しかしその一方で、情報が溢れすぎているために、どこから探したら良いのか、またそれぞれのカテゴリーの区別が曖昧になってしまい、結果的にユーザーを困惑させてしまうことがあるのも事実である。

 モバイル業界では、PCで起きたように検索が普及し、それにともない検索エンジン周りのビジネスが賑わいを見せつつある。また、今回の調査からはPCとモバイルの間には同じインターネットサイトとはいえ、少なからず異なる点があることがわかった。 その他、総務省が2006年5月に発表した「通信利用動向調査」によれば、PCを利用せずモバイルのみを利用しているユーザーは1,921万人となっており、インターネットユーザーの22.5%を占めており〔参照:平成16年 通信利用動向調査(総務省)〕、モバイルビジネスにはインターネットユーザーではなく、"モバイルインターネットユーザー"にフォーカスした調査分析がROIを最大化するためにも、戦略上必須になってくるのではないかと考えられる。

 本調査は、業界の全般的な調査となっております。あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。より詳細な業界動向や、ターゲット層に合わせたリサーチにご興味をお持ちの方は、 リサーチアウトソーシングサービスをご活用ください。

サンプル数  :300
調査期間   :2007年03月06日〜2007年03月07日
調査方法   :モバイルリサーチ
調査機関   :ネットエイジア株式会社
対象者     :16歳から22歳の学生

 本調査結果の単純集計を無料でご提供させていただきます。アンケート回収データ・クロス集計サービス・レポートは有料にてご購入いただけます。調査や有料サービスをご検討の方はお気軽にお問合わせください。

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