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「個人クリエイターが普及の鍵」、コンテスト受賞者が語るSecond Lifeの現状と今後

鳴海淳義(編集部)2007年03月28日 21時51分
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 GMO VenturePartnersとpaperboy&co.が開催したSecond Lifeビジネス・デザインコンテストの結果が3月15日に発表され、35作品に上る応募の中からデザイン部門大賞、ビジネスプラン部門大賞を含め5作品が入賞した。3月27日に開かれた座談会では、受賞者同士がSecond Lifeの現状や今後の展望について議論を交わした。

070328sl_03.jpgデザイン部門大賞の坂口力氏

 ユーザー参加型の龍育成シュミレーション「DRAGON GARDEN」でデザイン部門大賞を受賞した坂口力氏が初めてSecond Lifeにログインしたのは、コンテストが始まったあと。「コンテストに向けて何か考えてみようと思っていたらあっという間にアイデアがまとまって、応募してみたら優勝してしまったという感じ」と坂口氏は語る。

 参加して間もない状態でもアイデア次第で様々な楽しみ方があるのがSecond Lifeの魅力の一つかもしれない。Amazonで購入可能な全商品をSecond Life上で表示・検索ができる「アマゾンAPI × Second Life」を開発し、デザイン部門で準優勝した久川真吾氏も、やはりSecond Lifeに最初に出会ったのは今年の正月休みのことだ。

 坂口氏は「素人の完成度でもある程度面白いものが作れるところが良い」としている反面、「オフラインでもオブジェクトを作れるようなツールを追加機能としてリリースして欲しい。本当にプロにしか作れないものが出てきて、競争力に差がついてくるとつまらないのかもしれないが」とも語った。

070328sl_02.jpgビジネスプラン部門大賞の箱田雅彦氏

 土地を保有しないユーザーでもビジネス展開可能な紙芝居屋フランチャイズチェーン事業でビジネスプラン部門大賞を受賞した箱田雅彦氏は「2005年くらいから興味はあったものの、なかなか敷居が高く、実際に始めてみたのは昨年末から」だという。

 箱田氏はSecond Lifeにログインした当初の印象について、「いろいろな方が言っているように、やはり初期のインターネットの状況にかなり近いと感じた。操作性が悪い、スペック要求が高い、中で何をすればいいのかわからない、そういったことはインターネットの初期にも言われていた。インターネットを始めること自体が目的化していたために、当時は挫折した人が多かった」と振り返る。

 「現在だと例えばSNSとか、インターネットの中に何らかの目的が生まれている。Second Lifeもその点では同じように普及していくことになると思う」(箱田氏)

070328sl_01.jpgデザイン部門準優勝の久川真吾氏

 久川氏は現在のSecond Lifeの状況に危機感を抱いている。「企業の進出が進んでいるが、オフィスや店舗を開設したけど誰もいないというシチュエーションが非常に多いのが残念。確かにメディアで取り上げられているように勢いはあると思うが、じゃあ効果は?って冷静に見ると、今のSecond Lifeはあまり効果がないと判断されてしまいそう」

 「実際に必要なのはどういうトラフィックがあって、どういう人が来て、どういう話がされているのかといったデータ。それを計測できるマーケティングツールを提供したい」。同氏はSecond Life内のスクリプトをウェブと連携させることでマーケティングツールを実現させていく考えだ。

 箱田氏はクリエイター個人の力がSecond Life普及の鍵だとしている。「企業がお金をかけて何かやるというよりも、その前段階にクリエイター個人が面白いという理由だけで作り出したコンテンツがSecond Lifeの普及のきっかけになっていくはず。Second Lifeに触れてからそう思うようになった」。同氏はさっそく島を購入し、誰もが自由に遊べるような場として提供しているという。

 「ウェブも始まったばかりのときは会社案内をそのまま載せたようなサイトが多かったが、しばらくしたらネットの利点を活かしたサイトが出てきた。Second Lifeも今は同じような感じで、リアルでも作れるものを置き換えている。たぶんどこかで、ネットと3Dの特性を活かした何かが出てくるのではないか。それが出てこなければ、Second Lifeって何が面白いの?という問いになかなか答えられないんじゃないかと思う」(箱田氏)

070328sl_04.jpgpaperboy&co.の家入氏

 審査委員長を務めたpaperboy&co.の家入氏は、Second Lifeの魅力についてこう語った。「リアルの世界ではどうしても限界があるが、何か新しいことを始めることに対してインターネットが一度下げてくれた敷居を、Second Lifeはさらに下げてくれる。現実世界以上に一人でどこまでも作れるので、可能性は広がると思う」

 座談会はこの後、「子供たちのお店ごっこのような遊びがすぐに実現できるのもSecond Life魅力の一つだ」という意見が出たことをきっかけに、各々の子供のころの思い出話に発展。大人が子供のように夢中になれる――Second Lifeはそんなサービスなのかもしれない。

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