調査会社のIDCは3月20日、2010年までのx86サーバ予想出荷台数を下方修正し、450万台減らすことを発表した。仮想化とマルチコアプロセッサの普及がサーバ購入に影響を与える、と判断したためだ。
IDCが差し引いた450万台という数字は、同社が予測していた2006年から2010年までの予想サーバ出荷台数の約10%に相当していることから、大きな変化といえる。IDCはまた、売上高予想も24億ドル修正している。
「2010年までのx86サーバの出荷予測を、当初の61%増から39%増に変更する」とIDCは述べている。
IDCでは今回の下方修正の理由について、顧客はサーバに性能を求めており、購入台数が減少傾向にあるため、とまとめている。仮想化により、単一のシステムで複数のOSを同時に動かすことが可能となっている。また、マルチコアにより個々のサーバの処理能力が増し、サーバ統合のトレンドが加速している。
x86サーバ仮想化市場をリードしているのは、EMCの子会社であるVMwareだ。VMwareの技術を利用して、仮想マシンとよばれる区切りを設けることで、物理的に1台のサーバ上で複数のOSを動かすことができる。また、XenSourceらが商用サービスを提供するオープンソースの仮想化技術「Xen」は、「Red Hat Enterprise Linux」「Novell SUSE Linux Enterprise Server」などの主要Linuxディストリビューションに組み込まれている。さらには、Microsoftも「Viridian」という開発コード名を持つ自社の仮想化技術を2008年に発表する計画だ。
IDCでは、2005年から2010年にかけて、仮想マシンを動かすのに使われるサーバ台数が大幅に増加すると予想している。同社によると、2010年には、170万台の物理マシン上で仮想マシンが動く見込みという。これは、総出荷台数の14.6%にあたる台数で、2005年の4.5%から大きく増えることになる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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