CIOはトップの期待と目先の課題のギャップに苦悩--ガートナー調べ

 ガートナー ジャパンは3月15日、CIO(最高情報責任者)を対象とする「エグゼクティブ・プログラム(EXP)」において実施した、2007年における課題についてのEXP CIOサーベイの調査結果を発表した。

 ガートナーのEXPでは毎年、3500人に上るCIOメンバーを中心に、CIOが抱える次年度の課題を調査している。2006年10〜12月に行われた今回の調査では、2007年のCIOの課題について全世界で1400人以上、日本では、EXPのメンバーを含む37人のCIOから回答を得た。

 調査によれば、日本のCIOとグローバルのCIOの回答に共通した傾向は、次の2点だった。

  • 回答したCIOが所属する過半数の企業は、市場を上回る速度で成長することを目指しており、その割合は2006年までの2倍以上に達する
  • 短期的に市場を上回る速度で企業が成長することを目指している経営トップの期待と、今のビジネスの中ですぐに実行しなければならないCIOの戦略にアンバランスが生じており、「苦悩するCIOの姿」が浮き彫りになっている

 また、日本のCIOの回答には、グローバルのCIOと比較して、次のような特徴が見られる。

  • 日本のCIOが回答した戦略面での優先事項に関する調査結果では、「要員の確保・育成・保持」が第1位と、グローバルの第4位に比べて格段に高くなっている。また、「ITガバナンスの改善」は、日本で第3位、グローバルでは第8位と順位に大きく差がついている
  • グローバルな企業のCIOのビジネス面における優先順位は、2005年から3年連続して「ビジネス・プロセスの改善」が第1位となっているのに対し、日本のCIOでは、この項目は2005年の第13位から2006年の第7位、2007年の第4位と順位を上げつつある

 ガートナーでは、以上の分析から、今後の日本のCIOが取るべき施策として、以下の3項目を提言している。

  • 企業にとって必要な企業力(エンタープライズ・ケイパビリティ)を引き出すため、CIO管轄下にある「情報」「技術」「アジリティ」「イノベーション」から「企業力の向上」を生み出す必要がある
  • CIOの基本的な考え方や行動パターンを「少ないコストで多くを達成する」というものから「現有のリソースを駆使して競争力の源泉となる差別化を実現させる」ことに転換する必要がある
  • 企業成長への期待に応えるために、CIOはIT部門を改革し進化させる必要がある

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