今回はXPマシンのほか、Vistaマシン(Ultimate)でも試用してみた。いくつか問題があったので、まとめておきたい。
1つは、ホイールの挙動がXPマシンのそれに比べると滑らかではなく、何回かに1回は反応がなくなる症状が見られたこと。レシーバの電波が届きにくくなっている状態とよく似ていたので、レシーバの位置を変えつつテストしてみたが、症状は変わらなかった。
今回使用したVistaマシンが購入直後のほぼ素に近い状態であること、本製品以外のマウスがきちんと動作していること、またXPマシンでは本製品がきちんと動作していることを勘案すると、そもそものVista用のドライバに何らかの問題がある可能性があると感じた。ほかのVistaマシンで検証することができなかったので、検証環境としてはやや不足しており恐縮だが、気になる部分ではある。
もう1つ、マウスユーティリティーのボタン割付だ。本製品添付ユーティリティーのコマンド割付は「AltやCtrl、Tabなどのキー」+「英数字キー」という組み合わせしかサポートしていない。そのため、Internet Explorer 7でのタブ切替のショートカットである「Ctrl + Tab」という組み合わせが、本製品では使えないのだ。せっかくVista対応ながら、これだけ頻度が高そうな割付を行えないのは残念である。
本製品には画面上の一部を拡大して見るための「拡大鏡」機能が付属するなど、各ボタンにはデフォルトの設定が備わっているが、誰もがこの「拡大鏡」を使うかと言われるとちょっと違うと思う。そうした意味では、コマンド割付の自由度はなるべく高めてほしかった。ユーティリティーについては今後のバージョンアップに期待したい。
以上、ハイエンドマウスとしての性能に異論はないが、ユーザーを選ぶ、また利用環境や用途を選ぶ製品といえるだろう。また、無段階ホイールや、他社製品との共存を許さないマウスユーティリティーなど、同社製品ならではの「クセ」もある。他社製品を使っていたユーザーからすると慣れない部分もあるだろう。
エルゴノミクス製品が好きなユーザーにはたまらない製品であり、そうした製品は実際に使ってみて合う合わないが判断するのがベストだ。販売店の店頭サンプルを試用するなどして、まずはその「握り心地」をチェックしてみてほしい。
1971年秋モデル。大手PC周辺機器メーカーで販促・マーケティングを担当する一方、テクニカルライターとして活動。現在はNTTデータキュビットにてコンサルティング業務に従事しつつ、PC周辺機器のレビュー、ライフハック記事執筆から、エイプリルフール記事の企画構成まで脈絡もなく活動中。
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