Keighley氏の最後の質問は、RPGの世界にオンラインマルチプレーヤーゲームを組みいれることが中心になった。坂口氏は自分の作品「FINAL FANTASY XI」を例に出しながら、賛成だと答えた。そして、Microsoft Game StudiosのゼネラルマネージャーShane Kim氏の承認が得られればもう1つ制作したいと思っていると語った。Kim氏は会場の後方でパネルディスカッションを見ていたため、坂口氏はこの機を逃さずに同氏に決断を迫った。
「Shane(Kim氏)、お願いだ、私はやりたい」と、坂口氏は英語で語りかけた。
「何でもお望みどおりに」とKim氏は返答し会場は笑いに包まれた。
Molyneux氏もこんな機会を逃すわけもなく、続けて声をあげた。「Shane、私も1つできるかな?」
もう一度「何でもお望みどおりに」という答えを得た後、Molyneux氏は、オンラインRPGの将来性には非常に心躍るものがあるとして、「とことん素晴らしい詳細を話したくてたまらないのだが、私の口は多くの人々によって封じられている」と語った。
Muzyka氏もこの話題に加わり、将来BioWareが提供しようとしているものについてほんの少しヒントをもらした。
「大規模な複数参加型ゲームが向かおうとしている方向にはわれわれはとても大きな関心を持っている。というのは、プレーヤー間で発展している物語は、社会的な相互作用であり、物語の種類が違うのだ。シングルプレーヤーゲームではこの体験はできない。素晴らしいRPGは素晴らしいストーリーラインと、プレーヤーにおよぼす感情的な影響によって成り立つというコンセプトを融合させ、多人数同時参加型オンライン(MMO)ゲームに注ぎ込んだらどうなるだろうか?これがMMO専門スタジオのBioWare Austinで作り出そうとしているものだ」(Muzyka氏)
パネルディスカッション後の短い質疑応答の中では、従来の作品とは違う、より心情的な事項(日常的という人もいる)を扱う現代的RPGの余地はあると思うかという質問があった。これに対しMuzyka氏はこういった着想には重きを置かず、RPGは「あこがれをかき立てるファンタジー」だと規定し、プレーヤーはヒーローであれアンチヒーローであれ日常的ではないものになりたいのだと答えた。
Muzyka氏は、「どちらにしても、現実世界ではなることのできない誰かになりたいのだと思う」と述べ、「日常ではすることができないことができる点が私にとっては刺激的なことだ」と付け加えた。
Molyneux氏も同様に、自分が重要であると感じたり、ヒーローであると感じるところにプレーヤーのニーズがあると強調した。また、現代世界でもこの手のヒーローになれる可能性があることも言及した。同氏は「Dmitri」と呼ぶあるゲームのアイデアに触れ、詳しく話すことはできないが、現代世界において(普通の人が突然)ヒーローになるという仮定をベ−スにしていると述べる。Molyneux氏はまた、スーパーヒーローを売りにした現代的なストーリーが有力モデルであるとして、「24」や「LOST」といったテレビ番組を挙げた。
坂口氏は、現代的RPGの余地についてはその他のパネリストらと意見を異にした。同氏は、この10年間をこうしたゲームのアイデアをいろいろと模索してきたと述べる。男子学生が昔のガールフレンドと関係を戻そうと試行錯誤するゲームなどを例に挙げ、「(こうしたゲームを実現するには)とても難しいことだが」と語った。なぜそんなに難しいことなのか問われた坂口氏は、通訳としばらくの間言葉を交わし、簡潔に「いつかは実現したい」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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