信頼性向上を狙え--日本企業では「製品の品質」と「CSR」が重要

 PR大手のエデルマン・ジャパンは3月1日、「トラストバロメータ調査(信頼性調査)」の結果を公表した。同調査は、世界中のオピニオンリーダーが信頼する組織・機関や企業、情報源や、それらの信頼性をより高めるために必要だと思われるものに対する認識や見方を把握する目的で実施された。

 調査の結果、日本において信頼性の高い機関・組織のトップは非政府組織(55%)。以下、前年調査の2位、3位が逆転。政府(53%)、企業(52%)と続いた。また、主要産業における信頼性では、「テクノロジー」「自動車」「エネルギー」「バイオテク・生命科学」「通信」がいずれも7割を超える支持を得て上位を占め、科学技術分野に対する信頼性の高さを示した。

 日本を拠点とするグローバル企業の信頼性では、ドイツ(82%)、イギリス(78%)、フランス(67%)、米国(65%)など、欧米諸国から高い支持率を示したが、いずれも前年比ではポイントを下げた。一方、韓国(46%)、インド(46%)、中国(24%)のアジア諸国は、前年に比べ、いずれもポイント増となり、信頼性が高まっている傾向が伺える結果となった。

 また、自国を拠点とするグローバル企業への信頼度では、日本は84%と他国に比べてもっとも高く、さらに86%が「グローバル企業が社会に果たす役割を担う」と答え、他地域に比べて高い値を示した。

 グローバル企業の信頼性向上にもっとも重要だと思う要因では、「製品・サービスの質」が48%で他を圧倒。以下、「社会貢献活動」(16%)、「製品・サービスの適切な価格設定」(14%)、「消費者ニーズの把握」(8%)と続いた。

 他方、企業の信頼性を傷つける要因として、日本は「企業が引き起こした環境問題」、「欠陥製品・製品責任」がともに68%でトップ。環境問題に対する責任を、米国や中国がそれぞれ37%、47%と低い認識であるのに対して、環境に対する日本企業の高い責任意識が明らかになった。

 また、非倫理的な労働環境を企業の信頼性を損ねる要因として高く挙げた、EU(62%)、中国(65%)に対して、日米はそれぞれ55%程度にとどまった。

 さらに信頼する企業が取り組むべき課題として、日本は79%が「温暖化現象」を挙げ、企業の社会貢献活動が環境問題を通して行われることが期待されていることが伺える。

 調査は、35〜64歳の世帯収入が人口の上位4分の1以上にランクされる大卒学歴者で、報道や経済・政治的な問題に関心の高いオピニオンリーダー層3100人を対象に、電話インタビューで行われた。調査実施国は、日本、韓国、中国、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、スウェーデン、ポーランド、ロシア、アイルランド、インド、メキシコ、ブラジルの世界主要国18カ国。

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