ウィルコムは1月22日、高度化PHS通信規格「W-OAM」に対応した音声端末3製品とデータカード「AX530IN」、W-SIMカードに対応したビジネス向け音声会議用スピーカーホン、同社の音声端末「nico.」をベースに、タカラトミーやベネトンらとコラボレーションし、20代〜30代の女性に向けた端末など7製品を発表した。
対応した音声端末は、新Operaブラウザを搭載し、RSSリーダに対応した京セラの「WX320K」(2月中旬発売/ウィルコムストア価格1万6000円前後)。指紋センサを搭載し、約131万画素のカメラ機能を備えた日本無線の「WX321J」(2月中旬発売/同:1万6000円前後)。法人の構内PHS利用を想定し、話す・聞くを重視した日本無線の「WX220J」(1月25日発売/同1万1000円前後)。データ通信端末の「AX530IN」は2007年春ごろを発売予定としており、価格も未定。ウィルコムでは2007年春に最大512kbpsまで対応するほか、2007年度以降、最大約800kbpsにも対応予定だ。
W-OAMは、データ通信の高速化と音声遅延の低減、音声のつながり向上といったメリットがある。都内の弱電界地域で従来端末とW-OAM対応端末を使い、クラッシック音楽を流して比較した結果、従来端末では音が途切れたのに対し、W-OAM端末では途切れなかったという。発表会では、その実験音声と波形を公開した。
また、女性向けの端末も同時発表された。女性タカラトミーがデザインした「nico.neco」は、黒ネコをモチーフに、本体にキャラクターを載せ、ストラップや待ち受け画面、「猫ふんじゃった」の着メロなどトータルコーディネートしたもの。ウィルコムストア価格は1万1000円前後、発売は2月上旬を予定している。
ベネトンプロデュースの「WS005IN」は、孔雀の青色「Peacock blue」とフクシア(釣浮草)のピンク「Fuchsia Pink」の2色。ウィルコムストア価格1万円前後、発売予定は2月下旬という。これらのターゲットはいずれも20代〜30代の大人の女性という。これまでにないターゲットに向けた端末を投入するのは、顧客の多様化という背景があるようだ。同社では、「ウィルコム定額プラン」としてウィルコム2005年5月にウィルコム同士の通話を24時間無料にしたほか、2006年10月にはサービスを拡大し、070の番号ならどこでも無料でかけられる「070定額」を導入した。ウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏は、「音声通話定額を開始してからお客様の広がりがでてきた。幅広い層から支援を得られるカスタマイズモデルをつくる必要がでてきた」と説明した。
「ZERO-3やZERO-3[es]といった端末はホームランのようなもの。1つの製品にたよるだけでなく、こういったヒットを積み重ねていくような商品も必要」と語った。
同社によれば、通話のトラフィックは、21時〜26時に集中しており、定額プラン導入前のユーザと定額プラン加入後のユーザを比較すると、同時間帯の通話は70倍にもなるという。ウィルコムでは、“制限のないコミュニケーション”をコンセプトに、余った通話料を最大6300円まで自動で繰り越せるサービスや3人以上は全員2200円にする家族割引、新「法人割引」などを発表した。
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