インターネットビデオ企業BrightcoveがThe New York Timesをはじめとする投資家から5950万ドルを調達した。
Brightcoveはメディア企業がブロードバンド環境を利用してインターネットで映像を配信できるよう、支援している。同社は参入企業の多いビデオ共有の分野で、YouTubeに戦いを挑んでいる。
Brightcoveは米国時間1月17日、声明を発表し、調達した資金で国際市場へのビジネス展開を進める計画だと述べている。またより多くの資金援助を得られれば、淘汰の進むインターネットビデオ分野において、厳しい状況を切り抜けやすくなるという。
世間でオンラインビデオが大きな話題として取り上げられるようになってからたった1年で、YouTube1社が業界を牛耳るようになった。近頃実施された調査によると、オンラインビデオを視聴する人の約半数は、一般ユーザーが投稿したビデオクリップをホスティングするウェブサイトを利用しており、さらにこのうちの半数がYouTubeを使っているという。
Brightcoveと同社が運営するビデオ共有サイトBrightcove.comは、ほかのライバル企業と同様に、YouTubeから大きく遅れをとっており、状況の打開策を見つけ出そうとしている。
Brightcoveは(ビデオ共有サイトの運営以外に)、自社サイトでビデオを配信したいと考える企業向けにツールやサービスを提供している。だが、この分野でもライバル企業は多く、その数も増えている。
YouTubeは、ビデオを公開する場所を一般ユーザーに提供したことで一躍人気サイトになったのに対し、Brighcoveが先に着手したのは、企業向けのツールやサービスを提供するビジネスだった。YouTubeに投稿されているビデオのほとんどはアマチュアが制作したもので、同社は広告枠を販売することで収入を得ている。
YouTubeとは対照的に、BrightcoveはソニーやDow Jones、Independent Film Channel、Newsweekにソフトウェアを販売するところからビジネスをスタートしている。Brightcoveのソフトウェアを利用して配信されるビデオや音楽は、中央の一元管理されたポータルではなく、コンテンツ提供者自身のサイトにホストされている。
同様のサービスを提供する企業には、ソフトウェアツールを提供するRealityDigital、企業向けにインターネットビデオ広告を作成するTurnHere、テレビ広告を作成し、ケーブルネットワークで配信するSpotRunnerがある。
Brightcoveはこれまで総額8000万ドルを調達している。これは同社にとって吉とも凶ともなり得る。潤沢な資金を使ってサーバを購入したり、マーケティングに重点的に投資したりすることもできる一方で、一部のベンチャーキャピタリストによれば、過剰な資金調達が新興企業の事業に深刻な悪影響を及ぼすこともあるという。
GreylockのゼネラルパートナーDavid Strohm氏は2006年に開催されたVenture Capital Investing Conferenceで次のように述べている。「200万ドルでスタートできる会社に700万ドル投資すると、新たな問題が発生してしまうことがある。(過剰に資金を調達した会社が)一番にやってしまうことは、ヘッドハンティング会社を3、4社雇い、人件費の高い幹部クラスの人間をたくさん採用してしまうことだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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