米国政府や保護者団体などからの非難の対象となっていたNews Corp.傘下のMySpace.comが、子どもたちの掲載したオンラインプロファイルを保護者に通知するソフトウェアを開発中であることを発表した。
この監視ソフトウェアが完成して配布されれば、保護者は家庭のコンピュータにインストールし、そのコンピュータからログオンするMySpaceユーザーのプロファイル名、年齢、居住地を一覧表示できるようになる。また、これらのプロファイルの更新状況も追跡することができる。保護者は、問題が見つかってもプロファイルを変更できないようになっており、プロファイルが監視されているユーザーにはそのことが通知される。
「Zephyr」という開発コードの下で監視ソフトウェアが開発されていることは、米国時間1月17日付けのThe Wall Street Journal紙で報じられた。リリース日についてはまだ明らかにされていない。
米国では非常に多くの高校生が、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のMySpaceにプロファイルを登録している。MySpaceは先ごろ、フランスや日本などでもサイトを開設し、国際展開を図っている。だがその一方で、詳しい個人情報をネット上で簡単に共有できることから、ティーンエイジャーが危険にさらされているとして、MySpaceには厳しい監視の目も向けられている。
ここ1年の間に、MySpaceでの子どもの行動を保護者が把握できる、サードパーティー製のアプリケーションが続々と登場しているが、Zephyrは、MySpace自身が初めて投入する監視ソフトウェアだ。
MySpaceの最高セキュリティ責任者(Chief Security Officer:CSO)であるHemanshu Nigam氏はZephyrについて「ティーンエイジャーを持つ保護者が、自分の子どものMySpaceプロファイルや登録年齢を簡単に確認できる使い易いソリューション」だと説明している。Nigam氏はさらに、「インターネットの安全性について保護者が子どもと話し合う場を持てるようにするのも(MySpaceの)目標の1つだ」と声明のなかで断言している。
MySpaceは、Zephyrが人の権利を侵していると主張するプライバシー擁護団体の側からも、対応が不十分だとする保護者の側からも批判される可能性がある。しかし、Nigam氏の見解ではZephyrが提供する基本情報は、自分の子どもが何と名乗っているか、年齢を偽っているかどうか、居住地に関する詳細な情報を明かしているかどうかなどを保護者が突き止めるうえで極めて重要であるという。Nigam氏はさらに、子供たちが年齢をどう登録しているかは特に重要だと述べる。
「われわれが安全確保のために用意している機能の多くは、年齢に応じて機能するようになっている。そのため、サイトに正確な年齢が登録されることが重要だ。保護者が子どもの年齢を『チェック』し、必要に応じて適切な年齢を登録するように子どもたちと話し合えるようにしたい。こうすることで、ユーザーにとって一段と安全なコミュニティーを形成できる」(Nigam氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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