SkypeとKazaaを世に送り出したJanus Friis氏とNiklas Zennstrom氏の2人が、自らオンラインビデオの新興企業を設立した。
両氏が、ネットのエンターテイメントを渇望する人々を集めようと立ち上げたのは、ルクセンブルクに本拠を構えるJoostという企業だ。
関係者は数カ月前から、この新会社を「The Venice Project」というコード名で呼んでいた。Joostの広報担当によると、Joostという社名を選んだのは、響きが気に入ったからだという。(Friis氏はデンマーク人だが)このような言葉のデンマーク語が存在するわけではない。
Joostの最高経営責任者(CEO)であるFredrik de Wahl氏によると、映画会社やケーブルテレビ局など、インターネット上で高品質ビデオを配信したいと考える人々に対し、高速で効率の良い、低コストの配信手段を提供するのが同社の計画だという。その実現に向けて同社が利用するのが、SkypeとKazaaでも利用されたPtoP技術である。
輝かしい起業の経歴をもつFriis氏とZennstrom氏も、この分野では、多くのライバルとの競争に直面する。ビデオ配信プラットフォームを提供する企業として既に確固たる地位を築きつつあるYouTubeやAppleなどだ。
Joostはまだ映画やテレビ番組の大手制作会社と提携できていないことから、今後の道のりは険しいと思われる。たくさんの視聴者を擁しているわけでもないのに、映画会社の幹部らにコンテンツを提供してもらうことは非常に難しい。
一方、PtoP技術の分野では、Joostはインターネットビデオ企業へのライセンス供与を巡ってBitTorrentと競うことになる。また、ケーブルや映画専門チャネルの人気コンテンツを無許可で配信するサイトが増加していることも脅威となる可能性がある。このような企業の1社であるTVU Networksは2006年夏のサッカーワールドカップの際に、試合がPCで見られるとして話題となった。TVU Networksは、番組を排除するよう警告されるまで、HBOやCNN、Disney Channel、NBA TVのコンテンツを配信していた。
Joostは、テレビとPCの統合を目指す他社より優れた視聴環境を再現するソフトウェアを擁することを強みにしたい考えだ。折りしも、映画業界では、多くの会社がインターネットでのコンテンツ配信を試そうとしている。Warner Bros.では、知名度のさほど高くないビデオ共有サイトGubaや、かつてはデジタル著作権の侵害で悪名高かったBitTorrentと配給契約を結んでいる。
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