ネバダ州ラスベガスで開催中のConsumer Electronics Show(CES)では、1週間以上にわたって家電製品の未来を垣間見ることができる。そこは、全世界合計で数十億ドル規模となる市場の勝敗を見極めようと、世界中の人々が興奮して押し寄せる場でもある。
CESは米国時間1月7日、Microsoft会長のBill Gates氏による開幕前の基調講演で幕を開けた。以下では、同11日まで開かれるこの大イベントで公開が予定されるものをいくつか紹介する。
IPTV:携帯電話事業者、テレビネットワーク、そしてMicrosoftが構想を発表する(もしくは発表済みの内容をさらに詳細に説明する)とみられているもので、テレビ番組をインターネット経由で配信する技術。番組編成の指針を詰めたり、課金方法(月額か番組単位課金かなど)を決定したりする必要があるなど、IPTVという夢の世界を作り出すには時間がかかる。それでも、これは今後避けられないコンセプトであり、進展も早い。2年前のCESでMicrosoftの上層部が触れた当時、IPTVの概念は実現の遠い夢のような話だった。
CBS Researchが先週公表したアンケート結果では、米国人の56%はストリーミングでテレビ番組の視聴が可能なことを知っているという。
ホームネットワーク:Cisco Systems、Intel、そしてGatewayなどの各社は、消費者が自宅のテレビ、PC、そしてステレオをホームネットワークに接続できるようにしようと努力を続けてきた。現在までのところ、まだ多数の消費者は興味を示していない。しかし、インターネット動画が急激に普及したことで、電力線ネットワーキング(PLC)のような技術やワイヤレス技術の革新がこのコンセプトに勢いをつけつつある。
CESでは多くの企業がワイヤレスのスピーカやハブを発表する。CiscoのCEO、John Chambers氏は、このアイデアを9日の講演で大々的に宣伝する可能性が高い。この日はほかにも、サンフランシスコでApple Computerが同じような内容の発表をMacworldのなかで行う可能性が高い。
次世代DVD: LG電子は3日、第1四半期にBlu-rayとHD DVDのコンボプレーヤーを発売することを明らかにした。多くの部品メーカーも対応パーツの製造を進めている。ただ、まだ問題は残っている。コンボプレーヤーはおそらく高価格になると思われ、LG電子に追従するメーカーがどの程度出てくるかは明らかでない。
それでも、これらのデバイスの売上が伸び悩んでいることから、他社もコンボプレーヤーの計画を発表する可能性がある。一方、パイオニアには製造を計画しながら破棄した経緯がある。
LG電子は、同プレーヤーの詳細を7日に発表した。
ソニーの復活:歴史的に、最先端家電製品と一流のデザインはソニーの代名詞だった。だが最近は、リコール、品不足、発売延期も同社の代名詞となっていた。ソニーはCESを、ここ2年の低迷から脱出するための足がかりにする。基調講演は予定されていないものの、CEOのHoward Stringer氏をはじめとする幹部らが同ショーでソニーの今後の見通しに言及するものと思われる。
Dellも復活:2006年はDellも低迷した。ガジェット関連など、マーケットシェアからはDellが規模の小さいVizioやWestinghouseにデジタルテレビで後れを取ったことが分かる。Michael Dell氏が9日に基調講演を行うが、同氏は環境関連の構想を立ち上げるほか、複数のDell製品を披露するものと思われる。Dellからはほかにも数人の幹部が講演を行う。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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