サムスン電子が、裏表の両面に異なる画像を表示できる、液晶ディスプレイ(LCD)パネルを世界で初めて開発したと発表した。
サムスン電子は米国時間1月4日、新型のダブルスクリーンLCDでは、1枚のパネルの裏表同時に別々の画像やビジュアルデータを表示できると述べた。新型LCDは、(米国ラスベガスで8日から開催される)「2007 International CES」で披露される。
新型LCDは、ディスプレイ両面の液晶表示を個別に制御可能なピクセルデザインを採用することによって実現した。個々のピクセルはLCDの駆動に必要な信号を送るゲート2対(回路のオンオフを制御するために電圧をかけられるトランジスタエレメント)を使って制御される。
片面だけに画像が表示される通常のLCDの場合、1つのピクセルを映し出すのに必要なゲートは1対だけである。サムスン電子のダブルスクリーンLCDではピクセル1つ当たり2対のゲートを持っているため、1つのピクセルで2つのスクリーンに画像を映し出すことができる。スクリーンは2つともバックライトを光源に利用するが、片方は外光をより多く使用する。
サムスン電子が開発したのは2.22インチのモバイル端末用画面。従来のモバイル端末に搭載されていた2枚のパネルを1枚で代用できるようになり、端末が少なくとも1mmは薄くなると同社は述べる。
ダブルスクリーンLCDの利用例として想定されているのが、折りたたみ式の携帯電話だ。現在の携帯電話は、電話を折りたたんだ状態のときに利用する外部表示用のものと、電話を開いて利用する大きめのものと2枚のLCDを搭載する。これをダブルスクリーンLCD1枚で代用するようになれば、携帯電話は薄くなる。
サムスン電子のLCD Businessでバイスプレジデントを務めるYun Jin-hyuk氏は声明で「われわれはモバイル製品の薄型化を促進する、先進的な技術を顧客に提供したいと考えている。新型のダブルスクリーンLCDは、その意欲の裏付けとなるものである。2007年前半には量産を開始する予定でおり、大きな需要を見込んでいる」と述べた。
2つの画面を搭載する携帯端末用の技術としては、2004年2月に三菱電機が、裏表両面に画像を表示可能なディスプレイを発表していた。
有機ポリマーを用いる、巻き取り収納が可能なディスプレイ技術も先頃より脚光を浴び始めている。3日にはPlastic Logicが、電子ペーパー用のコンポーネントを製造する工場をドイツのドレスデンで2008年に開設すると発表した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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