起業から数年が過ぎ、次の成長へのステップを踏み出すベンチャー企業にとって重要となる経営指針とはどういったものであろうか。
11月に開催された、ベンチャー企業経営者やベンチャーキャピタリスト向けのイベント「New Industry Leaders Summit(NILS) 2006 Fall」のセッション「成長の階段」では、成長期を迎えたベンチャー企業の代表としてネクスト代表取締役社長の井上高志氏とオイシックス代表取締役社長の高島宏平氏がスピーカーとして登壇し、成長期の経営について語った。モデレーターはグロービス・キャピタル・パートナーズのパートナーである仮屋薗聡一氏が務めた。
10月31日に東証マザーズに上場を果たしたネクストは、売上高が前年比60%増で成長しており、まさに成長の階段を上り始めているところだ。事業の中核を担う不動産ポータルサイト「HOME'S」の業績が好調で、HOME'S単体では、5年連続で200%の成長を達成した。従業員数も2005年の150名から2006年度末には300名まで増加するところだという。
現在は家賃支払いのクレジット処理や損保の提供など金融事業を強化するほか、家計簿やヘルスチェックといった自己管理機能やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などのサービスを提供する地域コミュニティサイト「Lococom」ベータ版を開始している。井上氏はHOME'SとLococomを連携させて「CGMコンテンツと教育や住宅、医療など地域情報を補完することを目指す」としている。
一方のオイシックスは有機野菜や無農薬野菜など自然食材の通販サイト「Oisix」やスイーツの通販サイト「Okasix」を運営する。
オイシックスでは、農家主体で「何が届くか分からない、同じ野菜が何週も連続で届く」といったのビジネスだった自然食品業界の中でユーザー主体のサービスを提供することを目指している。「『(食品流通業界や農業界など)Old Industry』に対し、『New』なアプローチをしている企業だ」(高島氏)。自社の成長については「階段というよりは緩やかな坂道」と説明。年商は2006年で36億円ほどになる。
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