複数の企業が推進している次世代の色空間規格xvYCC。この規格は、テレビのカラーパレットを大幅に拡大すると期待されている。
xvYCCは、デジタル時代に向け、テレビ画面に映し出される色のスペクトルをアップデートする目的で作られた。現在使用されている規格「BT.709-5」は、テレビが表示可能な赤、緑、青の範囲を規定している。xvYCCは、この色の範囲を拡大し、シアンや明るい緑色の影を追加する。それにより、より自然な色の表示が可能になる。
三菱デジタルエレクトロニクスアメリカ(MDEA)の製品マーケティング担当シニアマネジャー、Vik Murty氏は米国時間11月29日、サンフランシスコに拠点を置くオーディオ、エンターテインメント技術の専門企業Dolby Laboratoriesにおいて、xvYCCに関するプレゼンテーションを行った。Murty氏はその中で、「より鮮やかかつ豊富な色が楽しめるようになる」と述べ、さらに「これまで誰もテレビで見たことのないさまざまな色の表示が可能になる」と付け加えた。
Murty氏によると、既存の規格は大半のテレビに有効だが、LEDバックライトを搭載した液晶テレビやDigital Light Processing(DLP)技術を搭載したリアプロジェクション(背面投射型)テレビの機能を制限してしまうという。
MDEAは2007年4月からxvYCC規格をサポートするテレビの製造を開始する予定だ。また各テレビ局もxvYCC規格を生かしたテレビ番組を放送できるよう、同規格に対応するシステムの開発に着手している。xvYCCに取り組む企業は他にもある。例えばソニーは、2006年に入って同技術を搭載した製品を発表している。
Murty氏によると、MDEAは2007年末に光源に、電球やLEDの代わりにレーザーを使用するテレビを発売する予定だという。
xvYCCは、Deep Colorと呼ばれる技術により、今後さらに性能が向上する。Deep Colorは、濃さが異なる色の階調の差をならす既存技術だ。一部の旧型デジタルテレビでは、色が明るくなったり暗くなったりすると、画面にかすかな複数の帯が見られる。しかしDeep Colorに対応したテレビでは、それらの帯は消え、暗い部分の画像がより鮮明になる。
xvYCCのより正式な名称はExtended YCC Colorimetry for Video Applicationsで、xvYCCはその名称を簡略化したものだ。xvYCCは、国際電気標準会議(IEC)が管理している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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