多くの人にとって、バーチャルコミュニティでの人とのつながりが、実世界での人とのきずなと同じくらい大切な場合もあることが、研究報告書により明らかになった。
この傾向は、南カリフォルニア大学アネンバーグ校Digital Future Projectが米国時間11月29日に発表した第6回目の年次報告書により明らかにされた。同プロジェクトによれば、オンラインコミュニティーに属する米国民のおよそ43%が、バーチャル世界について、実世界と同様に強いきずなを感じていると回答したという。
この調査結果は、インターネットユーザーがオンラインで人と出会いやすくなっていることを受けたものと考えられる。調査の対象となった人々の回答からは、ネットユーザーが、オンラインで知り合った人のうち年間平均1.6人に後から対面していることが分かった。また調査対象者らは、バーチャル世界だけの付き合いになる友人を年間平均4.65人作っていたという。
またインターネット利用者の40%以上が、ウェブのおかげで家族や友人と連絡が取りやすくなっていると回答した。
USCアネンバーグ校Center for the Digital Futureのディレクターを務めるJeffrey Cole氏は、この調査結果が、人との交流においてウェブの重要性が高まっていることの証左であると述べている。
「(ウェブ)ポータルが一般に利用されるようになって10年以上経った今、インターネットが個人や社会にとって強力な存在になりつつある。われわれは今、当時の予想がまさに現実のものとなる様子を目の当たりにしている」とCole氏は声明のなかで述べた。
今回の調査結果は、オンライン上で人との交流が盛んに行われていることの裏付けとなった。例えば、米国のブロガー数は2003年より倍増し、インターネット利用者全体の7.4%にまで拡大している。写真を公開する人もインターネット利用者全体のうち23.6%へと倍増している。
多くの人が少なくとも1日1回はオンラインコミュニティにログオンし、友人や知人と交流しているという。同調査によると、少なくともインターネット利用者の20%が、オンラインコミュニティでの経験が実世界での行動に何らかの影響を少なくとも年1回は及ぼしていると回答している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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