本機はデジタルチューナーレスなので、デジタルチューナー内蔵のDVDレコーダーなどとコンビで気軽に視聴する、という使いこなしが似合いそうだ。液晶は40V型の大型ワイド液晶でありながら、コントラスト比が5000対1と極めて高く、応答速度が8msecと早い点が特徴。このほか、輝度500cd/m2、上下左右の視野角178度と、テレビパネルとしての要求を十分にクリアしている。
AVインターフェースは、D4端子のほかHDMI端子も、もちろん装備。また、D-Sub15ピン端子でPCとアナログ接続することも可能だ。PC用のDVI端子は装備していないが、HDMI-DVI変換ケーブルでPCとデジタル接続もできる。2画面機能を使えば、テレビ映像とPC映像の同時表示も楽しめる。
映像回路は、独自に開発された画像エンジンLSI「DNIe」を搭載している。これは解像度補正やカラー、コントラストのエンハンサーとノイズリダクションなどを行う回路である。
テレビの映像エンジンには、高度なLSI技術とともに画作りのノウハウが必要になるが、本回路は画質改善に一定の効果を発揮でき、同社のLSI技術のAV対応が進んでいることが確認できた。
映像イコライジング(調整)機能はシンプルで、3つのプリセットモードで画質を設定できる。映画モードにすれば、しっとりとしたシネマ向きの映像が得られた。詳細な微調整はユーザーに開放されていないが、マニュアル設定も可能でコントラスト、明るさ、シャープネス、色温度などのイコライジングが可能だ。
実際に視聴してみよう。HD DVD版の映画ソフトを視聴してみたが、HDビデオ収録らしいソリッドさと夜景などの見通しの良さが感じられる。SD映像のスケーリングも自然で、ビデオソースでもジャギー感は少ない。DVDでの映画ソフト視聴では、内省的でシックな色調とCGのカラフルさを両立できている。
HDMI入力によるデジタルチューナーの映像は、シャープネスがやや強めだが、ハイビジョンらしい緊張感のある画作りだ。スペック値ではハイコントラストだが、バックライトが高輝度であるためか? 暗い部屋では、液晶の課題である黒浮きがやや目立つ。街の灯が瞬く夜景といったシーンでは、シャドウ部の表現に締まりが欲しいが、応答速度は早く、サッカーなどスクロールの多い映像でも残像感の少ない映像が楽しめた。
Hidden Spearkerとバーチャルサラウンド「TruSurround XT」には、もう少しレンジ感と包囲感が欲しいが、ポジションを選ばない中域重視の聞きやすいサウンドで、反射構造スピーカーの時間差も感じられない。
十分に進化した液晶の次の一手として、デザイン性に着目した本機は、テレビにおける1つのトレンドを先取りした製品と言えるだろう。AV機能は標準的で構成もシンプルだが、40V型という大画面で199,800円(SAMSUNG DIRECT価格)というコストパフォーマンスの良さに、サムスンの液晶量産技術の高さが感じられる。気軽&オシャレに楽しめるパーソナル指向の液晶テレビとして勧めたい。
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