非営利団体の全米地域再投資連合(National Community Reinvestment Coalition:NCRC)が、不動産査定サイトのZillow.comに対する苦情を米連邦取引委員会(FTC)に申し立てた。
NCRCは、FTCに提出した申立書の中で次のように述べている。「Zillowの関係者は、Automated Valuation Model(AVM)と呼ばれる同社の価格見積りシステムが極めて不正確で(ユーザーの)誤解を招きやすいことを完全に把握していた。それにも関わらず、同社は、消費者や不動産のプロを意図的にだまし、同社の価格評価サービスが正確であると信じ込ませていた」
これに対しZillowは、「NCRCの主張は事実無根と考えている」と述べ、さらに次のように続けた。「Zillowは消費者向けの無料の研究ツールであり、Zestimatesは自宅の価値を知りたがっている消費者のための(研究の)起点になるように設計されている。われわれは全力を挙げて、自社サイト上でZestimatesの研究ツールとしての役割を説明するとともに、対象エリア全域について(実際の販売価格と比較した場合の見積り価格の)精度を明確に表示している」
しかし、NCRCは26日に提出した申立書(PDFファイル)の中で、Zillowは、同社のサイトはあくまで(消費者による住宅価格調査の)起点に過ぎないと責任逃れをしているが、何千人もの人々が抵当や不動産取引に関する情報を得る目的で同サイトを利用している、と述べている。NCRCはさらに、そのような理由から、資金貸出機関や金融機関がZillowのサイトに表示されている誤った見積価格を利用して人々をだまし、住宅の本来の価値とは異なる価格を提示する例もあると主張する。
NCRCの社長兼最高経営責任者(CEO)のJohn Taylor氏は声明の中で次のように述べている。「これは極めて危険な事態だ・・・NCRCとその会員が把握しているところによると、最近、不動産や融資のプロがZillow.comに掲載されている誤った情報を使って米国の市場で詐欺を働く事例が増えている。それらの犯罪者の多くは、国や州の公正住宅法(Fair Housing Law)に違反し、消費者をターゲットにしている」
シアトルに拠点を置くZillowは、同社のサイトに掲載されている情報の精度について、実際の販売価格と比較した場合、平均で7.2%の誤差があるとしている。同社は自社サイト上の数カ所でその旨を告知している。
「われわれは実際に家に入ったこともなければ、台所を改築した事実も知らない。それを考えれば、(7.2%の誤差は)かなりいい方だ」(Zillowの関係者)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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