本機はヘッドフォン部とユニット部を分けたセパレートタイプだ。ノイズキャンセルのユニット部は、付属のクリップでどこかに留めておかなければならない。多少不便さを感じてしまうところだが、普段スーツを着用するビジネスマンには特に問題はないだろう。これまでのMD、CDウォークマンなどには必ずリモコンが付属していたのでその延長と考えればいい。しかし、普段Tシャツやトレーナーが多い筆者に別筐体には多少不便さを感じてしまう。
前モデルは、騒音を1/3まで低減するということだったが、今回は、騒音を1/4にまで減らせる。実際にノイズキャンセルの効果はかなり高い。地下鉄や大通りに面したところで試聴してみたが、空調音や、エンジン音など中低域の一定の音が持続するような音は、ほぼ消してくれるので、普段よりも小さい音量で充分に楽しめた。
実際に同社のカナル型ヘッドフォンのエントリーモデルで、周囲の音を同じように遮断しようとすると、音割れしそうなくらいまで音量を上げなければならなかった。
ただ人の声はあまりカットされないので、バラードなどのしっとりした曲を聴いている時は人の話し声が若干聞こえてくる。それらの声に被せるように少々音量を上げれば、話し声は聞こえなくなるので、実用レベルでは問題はないだろう。音楽を流さなければ、耳栓としての使い方もできる。電車の中で読書に集中したいという時には重宝しそうだ。
気になる音質だが、基本的にはクリアな方向で、解像度の高い音を再現する。筆者が普段愛用している海外製ヘッドフォンと比べても、本モデルの方が鮮明で、明快な音像を作りあげる。それぞれの楽器や、ボーカルなど明確に描き分ける力を持っている。だが通常のカナル型ヘッドフォン「MDR-EX90SL」と比べると、少し音がこもっているような印象。同形状のユニットだがパーツの違いが出ているようだ。
また筆者にとってはドライバーユニットが大きいためか、耳の周囲が痛くなってしまい、長時間の使用はきつかった。ここは好みが分かれるところなので、近所にヘッドフォンの試聴ができる大手の家電店などがあれば、そちらで確認してから購入したほうがいい。
ノイズキャンセルのレベルや音の解像度は高い水準の製品だが、いかんせん、別筐体のユニットは気になるところだ。
ただ、駅や繁華街など様々な場所で試してみたが、いずれも普段より少なめの音量で充分に音楽を楽しめた。1万円を切る価格帯ながら、この機能、音質は十分に合格レベルと言えるだろう。
ユニット部、ヘッドフォンのほか、S/M/L3サイズのシリコン製イヤーピースと、航空機内で使える航空機用プラグアダプターも用意する。海外出張の多い人や電車通勤の人で、周囲への音漏れが気になる人には、今、このモデルが最も手頃でコストパフォーマンスに優れていると思う。
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