さっそく音楽を試聴してみたが、低音はもっと聞こえていいはずだ。そこで、ループサポートを試すことにした。
ループサポートという言葉は聞き慣れないと思うが、耳の穴の出口にひっかけることで、より安定性をもたせるための補助道具である。頭をふっても落ちにくく、イヤーピースの揺れを抑えることで、低音再生も安定させられる。ループサポートの長さは細長く硬いゴム素材でできたBタイプ、長楕円形で柔らかいゴム素材のAタイプ、一番短いCタイプの3種類がある。
まずは楕円形の柔らかいAタイプにチャレンジ。一応耳にはまることははまるのだが、ループサポートを付けている感じがしない。ゆるゆるで、ループサポートがあってもなくても、ほとんど変わりがない。さらに短いCタイプのループサポートをつける。これは私の耳ではまったく効果がない。取り付けるときに出っ張りが持ちにくく感じてしまう。
ぴったりとフィットしたのは、細長く硬いゴム素材のBタイプ。はっきりと言いきれないがたぶんこのタイプがもっとも一般的なのではないかと思う。イヤピースがぴたりと安定していて、これならば多少激しいスポーツなどをしても、ヘッドフォンが外れることはない。
耳の収まりが安定してくることにより、音質も安定してきた。スカスカしていた低音も、きちんと聞こえるようになる。このヘッドフォンの能力を発揮してきた感じだ。左右の分離感がとてもよく、ステレオがより立体的に感じられる。細かい音も細部まで表現でき、情報量の多さは抜群だ。モニター的に音を精緻に聞きたい人向きのヘッドフォンだと言える。ボーカルの輪郭をきっちり描いてくれるので、きれいにおだやかな女性ボーカルによく合う。
室内楽や小編成のバンドも気持ちよく聞けた。遮音性能も非常に高く、音はクリアなのだが、音詰まりな印象をやや感じた。もう少し音が抜けてくれれば完璧だ。
今回、すべてのサイズのイヤピースと、ループサポートを試してみた。一番耳に合ったのは、グレーの楕円形、Mサイズのイヤーピースと、一番長い硬質なBタイプループサポートの組み合わせだ。耳穴が楕円形のためインナーイヤータイプがうまく収まらない原因だったということがよくわかった。
今回、全部を試してみてよく分かったのが、このヘッドフォンは自分にぴったりとフィットした組み合わせを見つけないと、本来の性能が得られない。1つずつ試してみると一番自分にあった組み合わせが見つかると思うので、ベストのタイプを見つけたい。カナルの音質はサイズにあり! ということだろうか。
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