今、ヨーロッパで人気の個性派ノートPC「FlyBook(フライブック)」シリーズ。この夏いよいよ日本上陸を果たし、さきごろ加賀電子が販売代理店となり本格的に国内販売を開始した。その「FlyBook」を世に送り出した台湾ダイアローグ社のジャック・リーCEOが来日、単独ンタビューを行った。 PCメーカーとして同社が目指していること、日本における販売戦略などについて、リーCEOに訊いた。
日本ではまだ馴染みの薄いダイアローグ社だが、ヨーロッパ市場、特にイタリアとドイツを中心にした地域で、すでにノートPCを5万台以上売り上げている。
「会社設立は91年で、ヨーロッパでの販売はその2年前から本格的にスタートした。現在は、世界初の3.5Gデータ通信機能搭載ノートPC 『FlyBook V33i』の売れ行きが好調だ。『V33i』は、A5サイズで重さは約1.2kgと、頻繁に持ち運ぶピュアモバイルスタイルだ。GSM携帯電話機の機能を内蔵しているので、SIMカードを本体スロットに装着することで、『V33i』から直接、携帯電話のネットワークを利用して、無線WANによるインターネット接続が可能。このサイズで、こうした機能を搭載しているノートPCは『V33i』をおいて他にない。この点が、ヨーロッパで人気を得ている最大の理由だろう。また、イタリアで『FlyBook』の評価が高いのは、デザインの良さも認められているからだと思う」(ジャック・リーCEO)
デザインの良さからイタリアで人気、というのは何となく肯けるところだが、では、イギリスやフランスではなく、なぜドイツで「FlyBook」の人気が高いのだろうか。その理由をリーCEOに尋ねたところ、同社の海外戦略と大きく関係しているようだ。
ダイアローグ社では、国ごとに信頼できる販売代理店と契約を結び、その代理店を通じて「FlyBook」を販売する体制をとっている。「信頼できる販売代理店」とは、リーCEOによれば「安く大量に売って利益を上げることを最優先する組織ではなく、質の高い製品を、その質の高さをきちんと理解していただけるお客さまに確実に届けることのできる組織」。そうした「信頼できる販売代理店」といち早く提携することができたのが、イタリアとドイツだったようだ。もちろん、代理店契約を交わすには、資金力や企業としての将来性も重視するが、何より大事なのは、「商品が持つブランドを大切にし、それを育てていこうとするマインドがあるかどうか」だという。
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