「Spam」ハム販売元、迷惑メール「spam」を商標申請

文:Tom Espiner(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年10月06日 16時52分

 スパイスハム製品「Spam」の商標権を保有するHormel Foodsは、迷惑メールを指す言葉として使用される場合の「spam」について、欧州連合全体で通用する商標として登録しようとしたが、この試みは失敗に終わった。

 Hormelは、「迷惑メールの回避、差し止めサービス」および「コンピュータソフトウェアの作成および保守、特にネットワークサービスを組み合わせた技術コンサルタント、(ジャンクメールに関する)専門知識や技術サービスおよび技術コンサルティングサービスの提供」に言及する際に使用される商標として「spam」を登録しようとした。

 Hormelは、欧州連合の下部組織である欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に対する訴えのなかで、一般には「spam」という言葉が連想させるのは、ジャンクメールに関してではなく、「スパイシーハムの一種」である食品だ、と述べている。

 しかし、OHIMはHormelの主張に同意せず、訴えを退けた。その根拠としてOHIMは、スパム問題への対処を目的とした製品がIT専門家を対象にしており、彼らがジャンクメールと肉製品を混同するとは思えない点を挙げている。また、Googleで「spam」という言葉を検索した場合、ヒット数はHormelの缶詰肉に比べてジャンクメールのスパムの方が多いことから、「spam」が迷惑メールを指す言葉としても一般的に認知されているとOHIMは認識した。

 「問題となっているサービスの利用者にとって、『spam』という言葉の最も明白な意味は、缶詰スパイシーハムの商品名ではなく、『膨大な数のアドレス宛てに承諾なしに送られる、通常は商用目的の迷惑メール』であることは間違いない」とOHIMは裁定で述べている。

 Hormelは、これまでも何度か、同社の製品名である「Spam」という言葉が一般に使用されるのを阻止しようと試みてきた。2004年には広告キャンペーンを実施し、2005年には英国高裁で「Spambuster」という名称を無効にしようとしたが、その時も失敗に終わった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]