目が疲れる蛍光灯の下で懸命に働いているオフィスワーカーたちは、日中をより明るく過ごしたいと望んでいる。
Sunlight Directと呼ばれる企業は、ハイブリッド太陽光照明システムを開発している。このシステムは、光ファイバーケーブルを通じて屋内に日光を供給するもので、窓際の席でない人も日光を浴びることができる。
インテリアデザインの世界では、屋外の光を屋内で最大限利用するという考え方が一般化しており、天窓や屋根設置型の光ダクトなど、さまざまな方法が用いられている。
Sunlight Directは、ハイテクを駆使したアプローチを取っていて、米エネルギー省の研究結果を基にした製品開発を目指している。
同社のハイブリッド太陽光照明システムは、直径40インチ(約1メートル)の皿状の鏡を備えている。その鏡には、GPS連動の制御装置が付いており、日中は鏡の向きを変え採光量を最大化する。屋根で集められ、凝縮された光は、フィルターにかけられ、その後プラスチック製の光ファイバーコードを通じて建物全体に供給される仕組みだ。
現在、およそ約25件の小売店やオフィスビルで同システムのテストが行われており、Sunlight Directは2007年の発売を目指している。
Sunlight Directによると、このシステムのセールスポイントは、電気代を削減できることに加え、従業員、顧客を問わず、全ての人々が自然光の恩恵を受けられる点だという。
Sunlight Direct最高技術責任者(CTO)のDuncan Earl氏は、「もはや(日当たりのいい)役員室へ移動するために、最高経営責任者(CEO)になる必要はない。(同社のシステムを導入すれば)光ファイバーケーブルを通じてオフィス内に日光が供給される」と述べ、さらに「自然光こそ人間にとって最適な光だ」と付け加えた。
日光供給システムの導入により、電気需要が最大化する日中の電気消費量の削減が可能だ。Sunlight Directは、同社のハイブリッド太陽光照明システム1台当たり、年間8000ドルの電気代の節約になると見込んでいる。
エネルギー価格の高騰や環境問題に対する不安の高まりに新たな商機を見出そうとする企業が増えており、Sunlight Directもそのような企業の1社だ。
その他の例では、Ice Energyと呼ばれる企業も、エネルギー省の研究成果をヒントにした製品を開発した。
同社のエアコンは、(気温の低い)夜間に水を凍らせ、それを冷媒として使用する。同社CEOのFrank Ramirez氏によると、世界的な電気需要の急増とそれに伴う電気代の上昇を背景に、同エアコンの採算性は高まったという。
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