レストランで携帯電話の甲高い着信音が聞こえたとしても、それは誰かが携帯電話をマナーモードにし忘れたからではないかもしれない。
「Mobile Manager」と呼ばれるSynchronicaの新サービスを利用すれば、遠隔操作でWindows Mobileベースの携帯電話から「やかましくて耳障りな」高音を鳴らし、盗まれたり置き忘れたりした携帯電話を発見することが可能になる。
モバイル機器管理ツールを提供している英国企業Synchronicaは現地時間8月28日付けの声明の中で、同ツールの利用目的を、携帯電話を盗まれた被害者が、盗んだ犯人に対して反撃するのを支援することと述べている。
Synchronicaによると、毎月多くの携帯電話が盗難に遭っているという。仮に、スマートフォンが盗まれ、その中に電子メールのメッセージやコンピュータのファイルといった機密情報が保存されていたら、厄介な情報漏えい事件に発展する可能性もある。
Synchronicaの携帯電話管理ツールを利用すれば、携帯電話の所有者から紛失の報告を受けた同社が直ちに、遠隔操作でWindowsベースの携帯電話をロックしたりデータを消去したりすることができる。また各企業は、「Synchronica Scream」機能を起動させることもできる。
Synchronicaによると、「紛失してから気づくまでの平均時間は、財布やハンドバッグが1時間なのに対し、携帯電話はわずか30秒」だという。そのため、携帯電話の盗難に遭った被害者は、携帯電話が発する高音を聞くことが可能なのだ。
携帯電話に入っている機密情報が漏れるのは、紛失や盗難の場合に限らない。バージニア州マクリーンに拠点を置くモバイルセキュリティ企業のTrust Digitalは最近、オンラインオークションのeBayで10台のスマートフォンを購入し、そのうちの9台から2万4000ページ分のデータの回復に成功した。それらのスマートフォンの中には、大手企業の従業員が売却したものもあった。同様のテストが中古のハードディスクドライブでもたびたび行われている。
29日にTrust Digitalから送られた電子メールによると、「回収されたデータの中には、銀行取引や税金に関する個人情報から、企業の販売活動に関するメモ、さらに、企業顧客の記録、製品ロードマップ、アドレス帳、コンピュータのパスワード、その他個人的資料、競争上重要な資料、危険性の高い資料に至るまで、ありとあらゆる情報が含まれていた」という。同社は30日に検証結果を公表する予定だ。
Synchronicaは、Mobile Managerを事業者や企業に販売している。Mobile Managerは、「Windows Mobile 2003」「Pocket PC Phone Edition」「Windows Mobile 5」に対応しており、将来「Symbian OS」もサポートする。Trust Digitalの「Mobile Edge」にも同様の機能が搭載されているが、同社のウェブサイトの機能リストには耳障りな音を鳴らす機能は含まれていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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