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グーグル「740億ドルテレビ広告市場征服」の野望

坂和敏(編集部)2006年08月22日 23時12分
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 ZDNet.comの「Digital Micro-Markets」というブログに、「Google CEO wants $74 billion TV ad market」と題したエントリーが上がっていた。「Digg」でも比較的大きな反響があったので、見出しを目にされた方もいらっしゃるかと思う。

 このエントリの冒頭には、「テレビの視聴者は『時間の無駄』であるテレビCMを我慢すべきではないとGoogleのCEO、Eric Schmidt氏が考えている(Google CEO Eric Schmidt believes television viewers should not have to stand for tv commercials that are “a waste of your time")」とあり、さらにSchmidt氏は「テレビを観ていると、明らかに自分に向けたものではないことがわかる広告を目にする("When you watch the television you see ads that are clearly not targeted for you.")」ことを不満を感じている、と続いている。

 そして、「対象を絞り込んだ、(効果の)計測可能なテレビ広告("targeted measurable television ads")」をGoogleが提供する準備を進めており、Schmidt氏は「同社がこれを実現する可能性は比較的高い("a good shot at it.")」と述べたという。さらに、Schmidt氏が今月行われた「Search Engine Strategies Conference」というイベントで、740億ドル規模のテレビ広告市場--これは米国市場だけを指しての数字だろうか--を積極的にねらっていると表明したことも伝えられている。

 このブログの執筆を担当するDonna Bogatin氏はさらに、6月8日付けの自らのエントリ「Google developing social and interactive television applications for 'mass personalization'」の一部を引用しながら、この「ソーシャル&インタラクティブなテレビアプリケーション」の概要を説明する。同時にGoogleが現在、カリフォルニア州マウンテンビューとワシントン州カークランドの2ヵ所でそれぞれテレビ技術関連のソフトウェアエンジニアを募集していることを引き合いに出している。

 さて、肝心なのはここからだ。この「ソーシャル&インタラクティブなテレビアプリケーション」とはいったいどんなものなのか?そう思ってリンクをたどってみる。すると、そこに現れたのはGoogle Researchサイトのなかにある「Interactive TV: Conference and Best Paper」というブログのエントリで、「われわれの発表した論文が、Euro ITV (the interactive television conference) で最優秀賞を受賞した」と書かれ、当該論文へのリンクが張られていた。

 「Social- and Interactive- Television Applications Based on Real-Time Ambient-Audio Identifications」と題されたこの論文のねらいは、「ブロードキャストの視聴を利用して、ウェブブラウザ上に関連する情報を自動的に表示する」ための仕組みを示すことだという。この仕組みについて、要点を以下に記してみたい。なお、この論文にはわかりやすい図解があるので、興味のある方は是非ダウンロードしていただきたい。また、当方としても内容について正直心許ない部分が多くあるため、特に技術に明るい方には、トラックバックを利用しての補足や訂正をお願いできればたいへん有り難い。

  • この「マス・パーソナライゼーション・アプリケーション("mass-personalizaton applications")」の仕組みは、「(ふつうの)テレビ」「クライアントサイドのインターフェース(PC)」、それに「オーディオ・データベース・サーバー」と「ソーシャル・アプリケーション・ウェブサーバー」という4つの部分からなる。
  • クライアントサイドのインターフェースは、テレビから出る音を拾って、音声データのサンプリングを行う。ここで解析された音声データは、ユーザーのID(身元特定情報)とともにオーディオ・データベース・サーバーに送られる。
  • オーディオ・データベース・サーバー側では、テレビ番組の音声データベース(DB)を保有しており、ユーザーのPCから取得した音声データとこのDBを照らし合わせて、ユーザーがどの番組を観ているかを割り出す。そして、その結果をソーシャル・アプリケーション・ウェブサーバーに送る。
  • 番組情報を受け取ったソーシャル・アプリケーション・ウェブサーバーは、PCから返されるユーザーのIDに合わせてパーソナライズされたコンテンツを送りだし、PCに表示させる。また、アドホックなコミュニティをつくりだし、同じ番組を観ている視聴者同士がチャットできるようにする。

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