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本音を言い合えるパートナー関係が企業も投資家も育てる - (page 2)

別井貴志(編集部)、田中誠2006年08月04日 12時38分
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勝屋:すばらしいです!そのメンバーズさんに照沼さんが投資したのはどういうきっかけだったのでしょうか。

照沼:1996年ぐらいに初めてお会いしたあと、時々お会いさせて頂いていたんですが、僕がこの業界に入った1998年の中頃は、剣持さんもそれほどベンチャーキャピタルから投資してもらおうという考えもなかったと思うんです。まあ、ご自身がずっとその世界にいたからかもしれませんが……。でも、1999年に入って大勝負に出る決心をされたようなんですね。その時にいくつかのベンチャーキャピタルに声をかけられて、最初に我々が極めて少額ですが出資させて頂いたんです。

剣持:ちょっと訂正させて頂くと、最初からベンチャーキャピタルは入れるつもりだったんです。お金が無かったので毎年のように少額の増資を繰り返していたんですが、当時、まだまだ保守的だったベンチャーキャピタルにとって魅力的な事業計画を披露できる段階ではなかったので、ベンチャーキャピタルに入ってもらう時期ではなかったんですね。もっと明確なビジョンを描いて、規模を大きくしていく上でベンチャーキャピタルは必要だと思ってたんですが、そのタイミングを見ていたんです。それからあの時はコンペでたくさん呼んだわけではなくて、照沼さんメインでやってもらったんですよ。まずは信頼できるベンチャーキャピタルに入ってもらって、次に高い株価でまたやるという気持ちだったんです。その1回目だったんですよ。

勝屋:なんか照沼さんにとって剣持さんは、良き先輩であり、良き兄貴という感じに見えますね。照沼さんご自身では剣持さんのことをどう見ていらっしゃいますか。

剣持:役員になってもらって、役員会でも社外取締役として貢献しようと一生懸命やってくれたんですが、最初は手探り状態でしたよね。当時、ベンチャーキャピタルさんはみんな社外取締役として会社に貢献しようと試行錯誤してたんですが、週に1回しか来なくて、会社を経営したことのない人が経営指導をするというのは相当ハードルが高かったと思うんです。だから大変なことも多かったと思います。

 でも最近は、人に迎合するとか、社長さんに気に入られようとかではなくて、自分の意見は言うというスタンスに変わったと思います。やっぱりサラリーマン、営業マンっぽい時は、人に好かれるための発言が多かったですからね。今は僕がムッとするようなことも平気で言いますよ。でも、ムッとするようなことも言ってくれるからこそ、アドバイザーですからね。

照沼:僕としては最初、正直、何をしたらいいのかわからなかったんですよね。だから、とにかく人に会いまくったんです。初めは、剣持さんにも言うこと言うことすべて反論されましたから悔しくてね。どうしたらいいこと言えるかな、と考えてました。気に入られようというより、悔しかったんですよ。このままでは何も貢献できないなと思って……。最近、ようやく何とか私も結果が出てきたので、少しはお役に立っているかな、というところです。

勝屋:そう考えると、照沼さんにとって剣持さんは、先輩というか、良き兄貴という感じなんですね。照沼さんご自身では剣持さんのことをどう見ていらっしゃいますか。

照沼:お付き合いを始めた頃は、圧倒的に先輩でしたね。とにかく竹を割ったような性格の方ですから、剣持さんのようなタイプの起業家が増えたら世の中もっと良くなるだろうなと、ずっと思って付き合ってきました。メンバーズにも苦しい時期がありましたが、剣持さんは乗り切られました。その時は大したことはできませんでしたけど、僕も多少なりとも心理的にはサポートをさせて頂けたとしたら嬉しいです。

照沼氏(左)と剣持氏(右)

勝屋:成長をめざすベンチャー企業において、ベンチャーキャピタルの役割が重要だといいますが、そのあたりも含めて、照沼さんがいてくれて助かったことは具体的に何でしょうか。

剣持:2つあって、1つは良き相談者ということ。事業会社の株主とベンチャーキャピタルの株主とは、やっぱり若干立ち位置が違いますよね。ベンチャーキャピタルの担当者はこちらと一緒に話ができるので、そういう意味で良き相談者ですね。もう1つは、どうしても近視眼的になってしまうところや、自分たちの強みをよく見ていない時、視野が狭くなってライバルや市場の変化に目が届いていない時などに、こういう見方をしたらどうですかと、自分たちでは気づかないところを気づかせてくれるような意見を言ってくれることですね。

勝屋:照沼さんは適切な意見いう良き相談者なんですね。話は少しばかり変わりますが、照沼さんはベンチャーキャピタルの仕事をしていて嬉しく感じるのはどういう時ですか。

照沼:やっぱり投資している会社が成果を出せた、成功を収めたと思える時ですね。ベンチャー企業は厳しい時期の方が多いので、心を合わせ、大きな受注獲得に成功した時や、厳しい局面を何とか乗り切った時など、嬉しいですね。そういう積み重ねがあって上で、株式公開を達成し、起業家と喜びを分かち合えるところまでいけると、嬉しさもひとしおです。

 ただ、企業家の方は株式公開しても会社は続きますからね。我々もその後もご一緒できるようなビジネスの進化を考えたいと思ってます。今のベンチャーキャピタルは株式公開で止まってしまうんですよね。その後も会社は継続していきますので、そこにどう関わっていけるかということを真剣に考えてます。

勝屋:ベンチャーキャピタルとの理想的なつき合い方ってどういうものなんでしょう。

剣持:まずはお金ですよね。お金があるなら(ベンチャーキャピタルを)入れない方がいいじゃないですか、はっきり言って。本当にその個人にアドバイスを欲しいと思ったらそのコンサル料的な出資を受け入れるということはあるかもしれませんが。その場合も当然人で選ぶべきだと思います。会社ではないですね。ただ、本当の友達になりすぎるのも良くないかなと思います。的確な意見をもらえなくなってしまいますからね。反対の場合はきちんと反対してもらいたいし、良き相談者であって欲しいし、そのバランスは難しいですよね。

 また、ベンチャーキャピタルは金融系や独立系、外資系、事業会社系といろいろなベンチャーキャピタルがありますが、この中には会社としてベンチャーキャピタル業務そのものから撤退する場合もあります。例えば、「事業会社系ベンチャーキャピタルが本業に専念するため、ベンチャーキャピタル業務から撤退するので、保有するあなたの会社の株式を売ります」というベンチャーキャピタルは一番よくないです。撤退する可能性が少なそうなベンチャーキャピタルを選んだ方がいいと思います。

日本ベンチャーキャピタル株式会社 インベストメントマネージャー
照沼 大

1991年5月 アンダーセン コンサルティング(現アクセンチュア)入社。1995年9月 株式会社プレステージ・インターナショナル入社。1998年7月 NVCC入社。企業向けソフトウェア関連と通信関連のSEのバックグラウンドを活かして、ソフトウェア、ITサービス、製造業関連を主要領域に投資を行う。

趣味:スポーツ鑑賞、映画鑑賞、沖縄に行くこと、釣り(昨夏釣ったマグロは痺れました〜)

投資先:ケンコーコム(東証マザーズ:3325)、ベネフィット・ワン(東証2部・JASDAQ:2412)、ディー・エヌ・エー(東証マザーズ:2432)、CIJ(東証1部:4826)、三井情報開発(東証2部:4846)、クレイフィッシュ(現e−まちタウン・東証マザーズ:4747)、インフォプラント、@IT(現ITmedia)、コミュニケーションオンライン(現アエリア・大証ヘラクレス3758)、ベストリザーブアーバンコミュニティオプトラン、WaveSmith Network、Nauticus NetworkメンバーズNCネットワークデバイスタイルJCDPegasus Technologiesワークス&アソシエイツイーズ・コミュニケーションズワイヤーアクション

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