ハッカーに助けを求めるFBI--サイバー犯罪対策で

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2006年08月03日 18時54分
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 ラスベガス発--米連邦捜査局(FBI)は、サイバー犯罪に取り組むにあたって、ハッカーの助けを必要としているという。同局の関係者が8月2日に明らかにした。

 「FBIは21世紀のサイバー犯罪問題に取り組むにあたり、あなた方の専門知識とインプットを必要としている」。当地で開催されている年次セキュリティカンファレンス、「Black Hat USA 2006」のオープニングで、FBIのサイバー犯罪部門主任のDaniel Larkin氏はこのように述べた。

 サイバー犯罪はますます高度になり、組織化されている。このため、連邦機関はこれまで以上に民間部門と協力しようと動いている。2006年に入って開催された「RSA Conference 2006」でも、FBI長官のRobert Mueller氏が登場し、同じようなメッセージを送った。

 Larkin氏は、Black Hat会場に集まったハッカーやセキュリティ専門家を前に、「われわれが追跡するのは、単なるスクリプトキディ(自分が作成したのではないコードを使って、興味本位で攻撃するハッカー)ではない。巨大な収益を得ている犯罪者らだ」と述べた。「私個人は、科学技術恐怖症を改めつつあるところだ。以前はあなた方のような人たちを恐れていた。だが、あなた方の重要性を理解するようになった」とLarkin氏は続ける。

 Black Hatに参加する警察機関関係者は増えている。Larkin氏の予想では、2006年は10人に1人が連邦機関からの参加だろうという。「どうか、(彼らと)上手くやってほしい。あなた方を助けるために参加しているのだ。あなた方とチームを組むために参加しているのだ」とLarkin氏は訴えた。

 政府は機敏に対応するよう努めているが、それでも連邦職員より早く潜在的な脅威を知る人たちもいるだろう、とLarkin氏。「テロやサイバー犯罪に関する重要な情報があなた方の手中に入る可能性もある。さらには、われわれが入手する前に、あなた方が入手する可能性もあるのだ」(Larkin氏)

 Black Hatに参加していたカリフォルニア州在住のセキュリティコンサルタント、Tom Thomas氏は、このようにFBIが助けを呼びかけるということは、サイバー犯罪に対応する体制がFBI側で整っていないことの反映だろうと見る。

 「これは安心できない事実だ」とThomas氏は述べる。「われわれが案じてきたことを裏付けるものだ。まったく無能というレベルではないとしても、FBIには大きな技術的欠点があるということだ。だから、FBI関係者はおそらく絶望的な気持ちで、ほぼ手当たり次第に助けを求めているのだろう」(Thomas氏)

 警察機関と協力することに価値を感じてもらうため、FBIは助けを得る代わりとして情報共有を提案している。FBIは過去に、民間からの報告を受けた後、なにもフィードバックをしないことで批判されてきた。「われわれも情報を返す必要があると実感した」とLarkin氏は説明している。

 Larkin氏は情報共有の例として、ID盗難ではISPと、発送詐欺対策では商店と協力していることに触れた。これにより、参加者すべてが実際の脅威に関するより正確な図を把握でき、FBIは各所から集まったデータを照らし合わせ、事件に関するよりよいデータを作成できるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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