BCNは8月1日、ネットとリアル店舗を比較した売れ筋動向を発表した。これは、「BCNランキング」にデータを提供する量販店などの店頭販売データおよびウェブ通販の実売統計に基づくもの。現在、23社2281店舗がデータ提供しており、7月からネット専業で販売するアマゾンジャパン、サクセス、ストリーム、ムラウチドットコムらが加わった。
パソコンや液晶テレビなどのデジタル家電115品目を対象に、ネットとリアル店舗の販売動向を調査をした。購入単価は、115品目のうち70品目をネットが上回る。平均購入単価は、リアル店舗が1万600円、ネット販売が1万6300円。ネット販売のほうが5700円も高い結果となった。
同一商品の販売価格を比べた場合、ネットのほうが最大2割ほど安いという。ネットの購入単価が高い理由として、(1)ネットの割安感からワンランク上の高機能商品が売れる傾向にあること、(2)大容量、大型画面といった先端型の商品の販売比率が高いこと、(3)企業向けの比較的高価な業務用商品が売れていること、とBCNでは分析している。
中でも、オーディオプレイヤーや液晶ディスプレイ、電子辞書などの単価が高く、「買いやすいネット向きの商品」とBCNでは分析する。一方で液晶テレビは店舗のほうが単価が高く、ノートPCはほぼ変わらない。製品単価の高いもの、最近の薄型大画面テレビなどは実際に店舗で見て購入する傾向にあるのではないかとしている。一方で、FDやMO、用紙などのメディアや消耗品はネットの販売率が1%未満と低い。実際の店舗で買うか、BCNランキングにはデータが入っていない「アスクル」などのネットショップで購入している可能性があるとしている。
おもしろいのが実際に売れている製品の傾向だ。ノートPCの場合、店舗ではB5以下の軽量ノートPCは6.3%程度だが、ネットでは21%で、レッツノートやDynabook SSなどのモバイル向けノートPCが売れているという。デスクトップの場合は単価に特徴があり、店舗での単価は12万円程度だが、ネットの場合は5万円程度としており、基本スペックの向上により安価なモデルでも満足しているのではないかと見る。また、HDD/DVDレコーダーでは、ネット購入者の約35%が400Gバイト以上の大容量タイプを選ぶが、店舗では約20%程度という。また、デジタルチューナー付きでないものが売れていることから、すでに1台は持っている人だろうと分析する。製品の特性を理解して、コスト的にも安価な2台目に適したモデル選ぶなど、ネットでの購入者は商品知識が豊富な情報リテラシーの高い人が多いと言えそうだ。
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