米国下院が先日ある法案を可決したことを受け、米国内の学校や図書館に設置された公共のPCから、Amazon.comやMySpace.comなどのウェブサイトにアクセスできなくなる可能性が出てきた。
下院は米国時間7月27日、未成年者が公共のPCを使って「チャットルーム」と「ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)」へアクセスできないように設定することを求める法案「Deleting Online Predators Act」を、賛成410票、反対15票で可決した。未成年者はインターネットを最も熱心に利用するユーザー層でもある。成人は、これらのウェブサイトを利用する際、許可を得てから利用することになる。
「MySpaceなどのソーシャルネットワーキングサイトやチャットルームは、性的コンテンツを利用して家庭に侵入し、子供たちを誘惑する事業者の利用を見過ごしてきた」というのは、Ted Poe議員(テキサス州選出、共和党)だ。Poe氏は、Congressional Victim's Rights Caucusという議員グループの共同設立者でもある。「この法案は、学校や図書館が(意義のある)保護を行うよう要求するものとなる」(Poe氏)
政治家はMySpaceへのアクセスを制限しようとしているようだが、同法案では利用禁止のウェブサイトに関する定義があまりに広範である。そのため、個人情報を含むプロフィールの掲示を許可し、「ユーザー間の通信」を可能にしている多くの商用ウェブサイトが対象になりかねない。この詳細の検討については、連邦通信委員会(FCC)に任されている。
禁止ウェブサイトのリストに含まれる可能性があるのは、Slashdot(プロフィールの公開を可能にしている)、Amazon(著者のプロフィールと個人リストが公開されている)、RedState.comなどのブログ(プロフィールが公開されている)など。このほか、News.comを発行するCNET Networksをはじめとしたメディア企業も、ユーザーが好みのゲームや音楽などのプロフィールを作成するサービスを提供している。
IT系の中小企業を擁するロビー活動団体Association for Competitive Technology(ACT)の代表者Mark Blafkin氏は「(法案の)ターゲットはMySpaceだが、LinkedInなどのサイトにも影響が及ぶだろう」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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