国連教育科学文化機関(UNESCO)が、インド洋沿岸地域を対象とした、新しい津波警報システムを導入した。人々が大規模な津波に備えられるようにすることが、その目的だ。
今回導入された警報システムは、すでに配置も済んでおり、津波の最初の兆候を検知すると、影響を受ける可能性のある周辺住民に警告を発する仕組みになっている。UNESCOの政府間海洋学委員会(Intergovernmental Oceanographic Commission:IOC)は、既存の5カ所の地震観測所に加え、インド洋海域全体に新たに25の観測所を設置した。これら観測所は、潮位、水圧などの指標を測定することにより、津波を引き起こす原因となる地震を探知することを目的としている。
UNESCOによれば、この他にも「Deep-ocean Assessment and Reporting of Tsunamis」と呼ばれるセンサーを3台設置しており、より多くの地震に関する計測データを収集できるようにしているという。現在では、津波が検知されると、新たに設置された26カ所の情報センターによって警告や避難勧告が受信および中継されるようになっている。
2004年12月にスマトラ島沖地震によって大規模な津波被害が発生したことを受け、IOCは1年半かけてインド洋沿岸諸国を対象とした津波警報システムを構築してきた。
「(2004年の津波発生当時は)システムが1つも稼働していなかった。そのため、当時は、たとえインド洋で発生した地震が津波を引き起こしても、それを察知する術がなかった」と、IOC事務局長のPatricio Bernal氏は述べている。国連津波復興特使事務局では、2004年の津波災害では20万人もの大勢の人々が亡くなったが、その主な原因はこうした事情によるとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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