Web 2.0の挑戦者:「業務時間管理を厳格に楽しく」という難題に挑戦した14 Dayz

文:Emily Chang 翻訳校正:吉井美有2006年07月07日 08時00分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

14 DayzのMichele Marko van der Puil氏らがメールでのインタビューに応じてくれた。

14 Dayzはどのようなサービスを提供するWebアプリケーションですか。

以前、簡単な仕事の所要時間を尋ねられると必ず「14日」と答える同僚がいました。実際の仕事の難易度はさまざまですが、どんな仕事であれ14日です。14 Dayzは効率を向上させ、毎日を最大限活用するためのツールです。一日のうちどのくらいの時間を実際に活用できるかが大多数の人にとってボトルネックになりつつあります。やることとやらないことを上手に選択しなければなりません。何に実際に時間をかけているかを把握することは、多くの情報に基づいて明日の時間の使い方を決めるうえで第一歩となるのです。

企業やフリーランサーにも同じことがいえます。自分の大事な資産やスタッフの価値を最大限生かすには、自分たちの仕事を積極的に追跡して結果を分析する手段が必要です。時間を厳格に管理することは、収益と利益に直結する販売活動の強固な基盤となり、あらゆる企業の活気と成長につながります。

14 Dayzは、時間管理や個別の報告書作成を簡単にするシンプルなオンラインサービスです。グループワークにも個人にも適しています。ユーザビリティに注意を払い、細部にくふうを凝らしました。14 Dayzを使えばスプレッドシートを使う面倒な時間追跡ソリューションは不要で、時間記録作業が楽しく簡単な作業になります。

このプロジェクトを始めたきっかけは何ですか。

2005年の初めに会社を設立したときの最初のプロジェクトは、オランダで活動する弁護士のためのWebベースの時間記録ソリューションでした。時間記録に関する要求が厳しいオランダの新法に対応する必要があったのです。既存のソリューションベンダーは皆この法律に即応できなかったため、法曹界全体が危機的状況に陥りました。こうした時期に、わたしたちは迅速性という価値と原則に基づいて会社を起こしました。機敏さには自信がありました。そこで、自分たちの拠点でもあるオランダで弁護士たちから課題をつきつけられたのです。断ることはできませんでした…。

弁護士や同分野の関係者との活発な共同作業を経て、新法に完全に準拠した初の時間追跡サービスの立ち上げに3カ月足らずで成功しました。弁護士たちはこれをとても気に入ってくれました。それは奇妙なことでした。

ご存知のとおり、弁護士とコンピュータは犬猿の仲です。わたしたちと違って弁護士はとにかく技術があまり好きではない。仕事をするためには多少の技術も必要だと理解はしていますが、つまるところ彼らは普通の古いペンと紙のほうがワープロやレーザープリンタよりも好きなのです。

ですから、よい反響を得られたということは、わたしたちが実に正しいことをしたということを示す明確なメッセージでした。そしてほかの顧客がこう提案してきたのです。「弁護士がそんなに気に入るソフトウェアなのだったら、弁護士以外の人たちにも使えるようにしたらどうだろう。僕は自分の使っている時間追跡ソリューションが嫌いなんだ」と。

そこで、その通りにしたのです。

約8週間の間に、ベータテスターグループと密接に連携して、ときには3〜4日かかる反復テストを行いながら、14 Dayzは現在の価値を持った姿になりました。AjaxやDom-scriptingのようなWeb 2.0の技法を使ってユーザビリティの向上を図りました。開発に際しては、簡潔さと、絶対に必要な機能を重視しました。その結果、時間追跡の苦労を無くして仕事本来の楽しさを取り戻せるアプリケーションが出来上がりました。とにかくシンプルなアプリケーションです。

14 Dayzの運用や拡張にどのくらいの時間を割いているのですか。本業はお持ちですか。

日々サービスの改善と拡大に取り組んでいます。一部のクライアントのためにコンサルティングも行っています。14 Dayzの開発時に得た経験は、クライアントのプロジェクトにも役立ちます。

スタッフは何人くらいいるのですか。また、あなたの経歴をお聞かせください。

「Brains4All」は、互いに異なるけれど補完的なスキルを持つ4人からなるチームです。

開発者のBart Helms氏。PHP 5用の最初の単体テスト用フレームワーク(UT5)を書いた人物です。自分の書くコードの美しさとソリューションのシンプルさに強いこだわりを持っています。これまでに、消費者向けサイトや企業用途の大規模なWebアプリケーションを多数製作しています。

デザイナーはSerge Nijsten氏。簡潔さを兼ね備えたデザインを実現する才能があり、XHTML/CSS2.0のコーディングに卓越した技能を持っています。また、品質にも厳しく、何においても高品質の仕事をする権利を主張します。これまでに消費者向け、企業ユースの大規模Webアプリケーションを多数開発してきました。

Jan Bakker氏は、最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)を兼務しています。彼が経営管理と財務を見てくれているので、ほかの3人は自分の仕事に専念できます。Janは人事管理や財務、さらには会計の分野で取締役レベルの職務を経験しています。そのため、Webテクノロジに関するあらゆる問題について、多くのCEOやマーケティング担当バイスプレジデントと対等に議論できる人物という評価を受けています。1980年代からコンピュータ技術分野にかかわっています。

そしてわたしMarko van der Puilはエンジニアです。技術とサポートを担当しており、自社のブログで執筆しています。システム管理とネットワーク管理、マーケティング、PRも担当します。コンピュータ技術には1983年から、またインターネットには1993年から積極的に関わってきました。多数の一般消費者や企業向けのWebサイトやWebアプリケーションの開発を指揮してきました。

あなたの設計哲学は何ですか。

わたしたちは、シンプルで使って楽しいWebベースソフトウェアを作ることを専門とする開発者です。無用の複雑さよりも簡潔さを大切にしています。ツールよりも人間を大事にします。あるプロセスに従うよりも共同作業を、何が何でもひとつのプランに固執するよりも結果を測定して頻繁にやり方を調整することを好みます。しかし第一に、ユーザーの役に立つ魅力あるソフトウェアを作ることが大好きです。

今日、企業向けソフトウェアの機能の80%は大半のユーザーに知られないまま眠っています。最近の調査によると、ユーザーの50%が複雑な技術にへきえきしているそうです。

この無用な複雑さが原因で、ソフトウェアの動きが悪かったり、高かったり、仕事に合わなかったり、または品質が悪かったりすることが多く、大抵のソフトウェアが楽しくもなければ使いやすくもないものになっているのです。何かを実行させようとしてソフトウェアと格闘した経験はありませんか?わたしたちにはそんな経験があります。そんな時間の使い方は効率的とは思いません。だからこそ、成果をあげられるようにするシンプルなツールを開発するのです。

サイトでは現在どのようなテクノロジを使用しているのですか。

14 Dayzは多層構造のアプリケーションです。Linuxサーバ上では仮想化技術を活用しています。データベースサーバにはMySQLを、WebサーバにはApacheを、それとWebアプリケーションを迅速に構築するためのOO-PHPフレームワークATB5を使っています。単体テストにはUT5を使っています。クライアントサイドでは、XHMTL/CSSと、prototype.jsとscriptaculousを使ったJavaScriptを使っています。

ほかのプロジェクトではRuby on RailsやこのほかのJavaScriptフレームワークも使っています。ブリックアンドモルタル型の昔からある「技術」もたくさん使います。インデックスカードも好きです。わたしたちの職場の壁はカードで一杯です。スタンドアップミーティング(立ったままの会議)もすれば、ペアプログラミングもします。時にはペアデザインもします。

クライアントが稼働中のソフトウェア内でリポジトリから直接チームの進捗を追跡できるようにするオートビルド機能をとても誇りに思っています。

ユーザーやコミュニティから最も要望を受ける機能は何ですか。

計画策定ツールをみんなが欲しがっています。また、時間管理のほかに事業経費を追跡するシステムにも要望が多く寄せられます。それと、レポートフィルタを保存する機能。実際、非常に多岐にわたるリクエストが寄せられています。

14 Dayzのユーザーは一部の地域に集中していますか、それとも広く分散していますか。

ほとんどは米国またはオランダ、つまりわれわれの拠点地域に集中しています。欧州全域にもたくさんのユーザーがいます。また、南アメリカやインドにも驚くべき数のユーザーがいます。いつも世界中のどこかに14 Dayzに時間を入力しているユーザーがいます。

半年後に、あるいは2年後に、14 Dayzはどうなっていると思いますか。

われわれは計画策定ツールに大きな関心を持っており、半年以内には開発を完了するはずです。また、報告やチーム管理といった複雑な仕事を簡単にするツールを提供することで、事業価値を上げるつもりです。また、アプリケーションの国際化対応も開始しています。2年後には、ユーザーベースを大幅に拡大していたいと思います。そのころには、14 Dayzは仕事や私生活上のタスクを複数の人が協同してオンラインで計画し、追跡する際の標準ツールになると思います。

プロジェクトを成功させるうえで最も難しいことは何ですか。

課題は、時間給で働くユーザーが必要とするこのアプリケーションをより魅力的で興味深いものにし、より多くの人が楽しく使い続けられるようにすることです。

プロジェクトを次の段階に進めるためには何が必要ですか。

KISSの原則です。プロジェクトの簡潔さを維持し、さらに簡潔で簡単で面白いものにし続けることです。

14 Dayzの基盤となるビジネスモデルがあるとすれば何ですか。

わたしたちにはシンプルなビジネスモデルがあります。製品を徹底的にテストできて、さらには簡潔で小規模のビジネスを行うこともできる一生涯無料のアカウントを提供しています。より多くの機能を必要とするチームや複数のプロジェクトを同時に行うチーム用には、複数種類の有料アカウントも用意しています。

どのプランでも、ユーザーに罰金を科すことはありません。望むだけチームメンバーを入れることができます。無料プランでもです。願わくは、無料プランがチームの拡大をサポートし、そして必要性が増したときに彼らが有料プランに移行してくれればよいと考えています。

差し支えなければ、1日の平均アクセス数を教えてください。

週末には日に300人のアクティブユーザーが、平日には平均1,200ユーザーがアクセスしています。しかし、14 Dayzだけでできているこのサイトのデイリーユーザー数はかなりのスピードで増加しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加