サーバ担当幹部に聞く、サンの行く末

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月29日 08時00分
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 John Fowler氏は、なかなか厄介な仕事をまかされている。Fowler氏はSun Microsystemsのシステム担当エグゼクティブバイスプレジデントだ。彼の任務はSunの売り上げの大半を生み出している製品カテゴリ、すなわちサーバ製品の業務を監督することである。

 かつてはシリコンバレーの稼ぎ頭だったSunも、最近は苦しい日々を送っている。巨額の赤字は一向に改善されず、レイオフも発表した。不確定要素は多く、Sunは買収標的になるのではないかと見るアナリストまで現れた。

 Fowler氏はこうした見方を否定する。たとえば、直近の四半期(第3四半期)は大半のメーカーでサーバ製品の売り上げが落ちたにもかかわらず、Sunではサーバ製品の売上高が伸びた。Advanced Micro Devices(AMD)製チップ搭載サーバの売れ行きも好調だ。またIntelから登場した新型チップも、需要があるなら自社サーバに搭載することもありうるとFowler氏は言う。Fowler氏は、CNET News.comのインタビューに応じ、こうした問題のほか、Sunと同社のチップ事業に影響を及ぼしている数々の問題について語った。

--x86サーバ部門とSparc部門を統合するメリットは何ですか。

 両部門はこれまでも、ハードウェアの設計を共有したり、システム作業を共同で行ったりしてきました。ひとつの部門になれば、さらにダイナミックな連携が可能になります。たとえば、システム間でサービス管理ソフトウェアを迅速かつ容易に共有できるようになります。ポートフォリオ管理の観点から言えば、成長を最大化するために、製品ファミリを柔軟に調整できるようになります。ご存知の通り、第3四半期は7.6%という高い成長率を達成することができました。

 工場の稼働やサプライチェーンといった面でも、さまざまなメリットが期待できます。これまではオペレーションも別々でした。

--しかし、手厳しい顧客はこう言うかもしれません。「Sunは直近の四半期で巨額の赤字を出した。その前の四半期も赤字だった。大規模なレイオフも実行している。Sunが今後も独立を維持できる保証はないのではないか」と。

 含み損やGAAP(一般会計原則)損失などを見る際は、当社が強力なR&Dポートフォリオと健全な財務状況を維持していることに留意する必要があります。第3四半期に7.6%という高い成長率を達成できたのはそのためです。負債はありません。財務状況はきわめて健全です。収益基盤も盤石であり、改善方向にあります。こうした点から言うと、当社はかなりよい位置に付けていると思います。

--しかし、Sunはレイオフを実行しています。エンジニアの数が減ることは避けられません。技術革新の面でIBMや、場合によってはHewlett-Packardに後れを取る心配はありませんか。

 IBMとは昔から競争関係にあります。IBMは当社よりはるかに多くのエンジニアを擁しています。しかし、IBMのポートフォリオには当社が参入していない事業もたくさん含まれていますから、SunとIBMを直接比較することは公平ではありません。

 人数で劣っていることは確かですが、たとえばPower、Xシリーズ製品といった製品については、当社にもSolarisなど、IBMに対抗できる製品がたくさんあります。また、IBMの従業員の相当数はサービス部門の人員であることも忘れてはなりません。

 言うまでもなく、HPはIBMとはまったく異なる種類の企業です。HPとの競争では、Sparcファミリの「Niagara(UltraSPARC T1)」などを前面に出していくことになります。

--顧客の立場から、もうひとつ手厳しい質問をさせてください。「Sunはx86サーバの売れ行きが好調だと言うが、なぜSunのサーバを買わなければならないのか。x86サーバを提供している企業は他にもたくさんある」と言われたらどうしますか。

 製品を開発するときは--まさに今、さまざまな新製品を発表しようとしているところですが--基本的に5つの原則を順守するようにしています。まずは「性能」、サイズや電力性能に影響を与える「効率」、アベイラビリティ機能に代表される「信頼性」、あらゆる環境に円滑に統合できるようにするための「管理可能性」、そして私が言うところの「長寿命」です。

 性能、効率、信頼性、管理可能性、長寿命--この5つが大原則です。x64製品では、最初の4つの原則は十分に順守できたと思います。Sunのx64製品は高速で、並外れた電力効率を持ち、管理可能性は高く、信頼性関連の機能も満載です。このジャンルでは、Sunは間違いなくトップクラスのベンダーです。

 x64事業は7四半期にわたって二桁から三桁の高成長を続けています。当期の成長率はまだお話できませんが、競争環境はそれほど変わっていません。単なる偶然で、これだけの成長を8四半期も続けることができるでしょうか。これは市場が当社の取り組みを評価していることの表れです。

 最後の長寿命についてですが、Sparcシステムでは長寿命はお馴染みの概念です。たとえば、「UltraSparc IV」搭載マシンはアップグレードを重ねることで、長期にわたって利用できます。次にリリースする製品は、これをx64環境でも実現するものです。Sunのブレードサーバを導入すれば、企業は長期にわたり、システムを大幅に作り替えることなく、最新のプロセッサ、メモリ、I/O(input/output)などを導入できるようになります。x64の世界では、これは非常に新しい概念であり、顧客のニーズとも一致していると思います。

 Solarisとx64も成長の大きな要因です。Solarisライセンスの大半は他社製ハードウェアに対するものです。

--それはSolaris x86の話ですか。それとも、Solarisシリーズ全体の話ですか。

 Solaris x86です。数で言うと、大半はHP製ハードウェアに搭載されているものです。先ほど、なぜSunのサーバを買う必要があるのかという質問がありましたが、企業はSolarisに興味を持っており、いずれはSunのハードウェアを購入したいと思うかもしれません。Sunのハードウェアは当然、Solaris用に最適化されています。ソフトウェアとハードウェアの両方に対して、Sunのサポートを受けることもできます。

--Solaris x86は有料ですか。それとも、フリーソフトウェア製品のひとつですか。

 フリーです。Sunのウェブサイトからダウンロードできます。サイトではセキュリティパッチなどのベースレベルの更新ファイルのほか、さまざまな情報も提供しています。より高度なサポートを必要とする企業のためのサービスプランも用意しています。

--Sunの売り上げに占めるx86の割合を教えてください。

 まだわずかです。(前CEOの)Scott McNealyが、x64サーバは4億ドル程度のちっぽけな事業だと語ったことがありますが、もう少し正確に言うなら、当社の主力商品の10%程度といったところです。しかし、急速に成長しています。

--Intelのサーバ用チップ「Woodcrest」が話題を集めています。Woodcrestの登場によって、競争環境は変わると思いますか。

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