Right Media(本社:ニューヨーク)は米国時間6月19日、自動ネット広告取引所の立ち上げを発表した。価格が固定される一方で手数料が必要な広告ネットワークや代理店に代わり、同サービスでは、ウェブサイトが広告スペースをオークションにかけて最高額の入札者を見つけられるようにする。
Right Mediaは、極端に高額でないコモディティ広告スペースに入札できる表示広告やバナー広告のオプションを広告主に提供すると、Right Mediaの最高経営責任者(CEO)、Michael Walrath氏は語っている。
同氏によると、Yahoo Publisher NetworkやValueClickなど、価格の固定された広告ネットワークに代わるサービスになるという。同氏はまた、「Right Media Exchange」がトランザクションあたり平均7.5%の手数料を受け取ることを付け加えた。
Walrath氏によると、15カ月前からプラットフォームの構築を進めてきたRight Media Exchangeは、1万1000社の広告主を抱え、取引所では毎月合計1250万ドルの取り引きが行われているという。
Internative Advertising Bureau(IAB)のCEO、Greg Stuart氏は、Right Media Exchangeに関する直接のコメントはできないとしながらも、ネット広告取引所の概念は特に新しいものではないと述べた。
ここ数年の間で、「この分野では3〜4社の大手が消えている。このモデルが実際に広告で機能するかどうかはまだ分からない」(Stuart氏)
たとえば、7年以上前にネット広告取引所としてスタートしたMatchCraftがある。同社は現在、検索エンジンのマーケティングを行っている。失敗したネット広告オークションとしてはもう1社、Adauction.comの例もある。
MatchCraftの共同創業者兼CEO、Uzi Eliahou氏は、「多対多の取引所を運営するには一定数以上のバイヤーとベンダーを確保する必要があることを学んだ」と語り、広告主たちのやり方を変えるのが難しかったことを付け加えた。
もう1つの問題は、ブランドの広告主が広告の配置場所に厳しい制限を設けようとする傾向にあることだと、IABのStuart氏は語っている。
「ネット、テレビ、そして雑誌で典型的に利用される現行のレートカードモデルに市場の流動性が欠けているという意見には同意する。マーケティング担当者ごとに価格設定の価値観が異なることを認識していない。したがって、市場に流動性を作り出せれば素晴らしい」(Stuart氏)
Media Publicis Groupe傘下でメディアの将来についてコンサルティングを提供するDenuoのシニアバイスプレジデントTim Hanlon氏もこれに同意する。
「もっとオープンで透過的なメディア取引所を求める声は今までも多かった。今日われわれが利用しているプロセスは比較的不透明で、ひどく非効率的だとも言える」(Hanlon氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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