なお、Movable Type現行2製品のうち、3月に発表された「Movable Type Enterprise」は企業内(イントラネット)向けのブログ構築ツール、それに対して「Movable Type」は「一般向けのブログ構築ツール」という位置づけになっているが、どちらの製品でも法人需要に力を入れている点は変わらない模様だ。関氏は「Movable Typeは、国内ですでに企業ブログツールとして業界標準的地位にある」とし、最近では「ツールベンダーや関連書籍など、テクニカルなリソースもノンテクニカルなリソースも充実してきた」と語る。
関氏は120社あるソリューションパートナー(ProNet)を通して「どうやってウェブサイトをつくるかだけでなく、どのようなウェブサイトをつくればいいのかといったウェブサイトの構築やマーケティングのアドバイスまで行なってくれる」ことも付け加え、ソフトそのものだけでなく、製品のコミュニティやサポート体制も含めたエコシステム(生態系)が根付いてきたことを強調した。
最近、Movable Type同様のサーバインストール型ブログツールとしては、オープンソースの「Word Press」も大きな注目を集めているが、「PHPを採用していること、新技術を手早く取り入れていることで技術的関心が高まってはいるが、実際に企業などが安心して利用できるツールとしてはMovable Typeの方が有利であり、実績もそれにともなっている」と記者に語っている。
Movable Type 3.3では、前バージョンをベースに、大きく投稿関連機能と管理関連機能の改善を実施した。さらにイントラネット向けの「Movable Type Enterprise」に搭載した機能のうち、個人向けに利用できる機能も追加している。
新バージョンで最大の目玉となるのはタグ機能だ。これは「情報に対してより多くの情報を付けた方がいい」というWeb 2.0的考えを受けて追加された。元々はプラグイン(追加機能)として提供されていたものだが、開発者が社員だったこともあり今回、Movable Typeの標準機能として取り入れた。タグ情報は、ブログ記事作成画面から直接追加できる。
記事に追加されたコメントや、Movable Typeの動作時に発生したエラーをRSSフィードとして購読できる「ログフィード」という機能も追加された。シックス・アパート執行役員(技術担当)の平田大治氏によると「これまでメールで受け取っていたコメントの通知を、RSSリーダーなどで確認できる」という。
記事管理画面や設定画面も細かく見直した。たとえば記事一覧の画面に、記事の更新状況を一目で確認するアイコンを追加したり、記事編集画面で、編集中に他の操作を行うと、編集中の記事を破棄していいか確認するダイアログボックスを表示する、といった改良が施されている。
また、これまで同ソフトではインストール時に、「Melody」というユーザー名の暫定の管理用アカウントを自動的につくっていた。しかし、初心者がこのアカウントをそのまま残したためにセキュリティ上の問題になる、という可能性に配慮して取りやめている。
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