ワシントン発--米連邦政府はビデオゲームなどの電子メディアが子供の成長を阻害するものではないことを証明するために支援する必要があると、Hillary Clinton上院議員(民主党、ニューヨーク州選出)は米国時間6月7日に述べた。
政府による支援を促進するため、Clinton上院議員はテレビからビデオゲーム、インターネットに至るまでのあらゆるメディアが子供に与える影響に関する調査の実施が政府によって承認され、資金援助が得られるよう働きかけていくと述べた。Clinton上院議員とJoseph Lieberman上院議員(民主党、コネチカット州選出)が中心となってまとめた法案にはこうした提案が含まれており、2006年に上院委員会から満場一致の支持を得た。
シンクタンクNew America Foundationが当地で開催しているイベントでClinton上院議員は講演し、こういった研究プロジェクトの必要性やそれに対する納税者の負担について疑問を呈する批評家からの質問に反論した。
Clinton上院議員は「われわれは(メディアが子供に与える)影響を把握していない」と述べた上で、「現代ほどメディアに囲まれて育った児童は今までに例がない。(政府協力がなくして)どうやって研究し、詳しい事実や証拠を得ることができるだろうか」と語った。
Clinton上院議員はまた、「連邦議会が行動しない限り、それぞれの保護者は『自分の子供に対して重大な実験』を試みることになってしまう」と述べた。「(子供を電子メディアに触れさせても)問題は何もないということの裏づけが欲しい」(Clinton上院議員)
暴力シーンや性的描写を含むビデオゲームを長い間問題視してきたClinton上院議員はLieberman上院議員とともに策定したもう1つの法案についても連邦議会を通過して欲しいと述べた。同法案は、17歳未満に「成人向け」「成人限定」もしくは「RPマーク(審査保留)」に指定されているビデオゲームを販売およびレンタルした業者に罰金を科すというものだ。
政府は家族の生活にもっと関与するべきだとClinton上院議員が主張したのは、今回が初めてではない。Clinton上院議員が1996年に出版した書籍「村中みんなで(原題:It Takes a Village)」は保守派からの攻撃の的になった。また、Rick Santorum上院議員(共和党、ペンシルベニア州選出)は「It Takes a Family」という書籍を出版する形でClinton上院議員に応酬した。
Clinton上院議員の事務所は同日、保護者向けに1ページの「メディアに関するガイドライン」のダウンロード提供を開始した。同ガイドラインはテレビ番組やビデオゲームで使用されるレーティング制度の定義を詳細に説明している。また、ビデオゲーム機やテレビ、TiVoなどのサービスで利用可能なペアレンタルコントロール機能に関する概要が述べられている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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