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英国政府、暗号キーの開示を強制する法律の発効に向け準備--専門家からは反発の声も - (page 2)

文:Tom Espiner(ZDNet UK) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年05月19日 17時04分
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 またClayton氏は、「警察の合法的な捜査活動の一環として、あるいは、堕落した警察本部長によってマスターキーの情報が奪われる可能性があるとすれば、国際銀行は(英国への)マスターキーの持ち込みに慎重になる、との見解はかなり説得力がある」と述べ、さらに「手続きさえ踏めば、警察がキーの情報をとることができる。これでは国際銀行家は皆、(スイスの)チューリッヒに本社を置くだろう」と付け加えた。

 RIPA反対派は、人々は自分が保有する暗号化データを解読するためのキーを持っていないと主張できることから、警察は第3章(の法律)を必死に行使しようとする可能性があると主張する。

 暗号化の専門家であるPeter Fairbrother氏は、UKcryptoと呼ばれるメーリングリスト上で次のように指摘している。「文字がランダムに並んでいるように見えるデータが実は暗号文であることを『合理的疑いの余地なく』証明し、さらに、容疑者が実際に暗号文を解読するためのキーを保有し、適正になされたキーの開示命令に逆らったことを証明するのは、これまでと同様に、ほぼ不可能だ。」

 Clayton氏もFairbrother氏の見解を支持する。「警察が『彼はテロリストだと見ている』あるいは『彼は児童ポルノを売買しているとにらんでいる』と言えば、容疑者は『違う、これはラブレターだ。申し訳ないが、キーは失くした』と言うだろう。(容疑者を有罪とするには)どれだけの証拠が必要なのか。(データを)復号化できなければ、当然その中身は分からない」(Clayton氏)

 内務省は17日、ZDNet UKの取材に対し、協議プロセスが終了するまでRIPA第3章を修正すべきか否かの決断は下せないと語った。

 ある内務省関係者は、「現在協議中であり、多くのRIPA修正案を検討している」とした上で、「(修正すべきか否かの決断を下すのは)協議の結果が出てからだ」と語った。

 内務省は先週、「テロリストによる暗号化技術の使用により治安が脅かされている」ことから、暗号キーの開示や復号化の強制に焦点を当てる必要があると述べた。

 しかし一方でClayton氏は、テロ組織と政府や企業とではマスターキーの使い方が異なると主張する。

 「テロ組織は、マスターキーを使って一連の通信用の合鍵を作るのではなく、1つの通信に1つのマスターキーという形を取っている。この1つの通信にしか対応していないマスターキーの場合、テロリストであると疑われる人物に対しては、その通信のみ復号化させたり、あるいは他の復号化手段を使わせるのがいいだろう」(Clayton氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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