オフィスやグラフィックソフトウェアを提供するCorelは米国時間4月26日、新規株式公開(IPO)を実施したが、最初からつまずいてしまったようだ。
「WordPerfect」や「CorelDraw」を提供するCorelの公募・売り出し価格は1株当たり16ドルで、取引開始時の株価は15.36ドルだった。このような投資家の反応は、Corelには予想範囲内だったのかもしれない。
Corelは同日、当初1株当たり18ドル〜20ドルとしていた価格帯を、1株当たり16ドル〜18ドルに下げた。企業は、投資家が自社のIPOに興味を示さなかった場合、このような手段を使う場合が多い。アナリストらはこのような動きについて、一度行うとその後の回復は難しいと述べる。
「よい動きとはいえない。歴史的に見て、元に戻すのは難しいからだ」とThomson Financialのシニアリサーチャー、Richard Petersonは述べる。Petersonによると、Corelの株価は、当初の価格帯の上限より20%低い価格という。
だが、このようにIPOでつまずくのはCorelだけではない。Petersonによると、2006年にIPOした53社のうちの半数以上が、価格帯の上限を下回ったという。
一方、価格帯の下限でIPOし、価格帯を上げるのに成功した会社は、4社だけである。
Corelは今回、500万株を売り出し、8000万ドルの資金を調達する。既存株主は150万株を売却し、2400万ドルを回収した。
2003年にCorelを9760万ドルで買収したVector Capital Groupが、IPO後も引き続き72%の株を所有し筆頭株主となる。Vector Capitalの以前の出資比率は95%だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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