注目を集めるエタノール燃料--B・ゲイツ氏の投資会社が8400万ドルを出資

文:Michael Kanellos(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年04月19日 22時57分

 現在クリーンエネルギーを生成する技術への関心が高まっているが、このほどMicrosoft会長のBill Gates氏が資金を提供する投資会社Cascade Investmentが、Pacific Ethanolという新興企業に8400万ドルを出資することが正式に決まった。

 Pacific Ethanol(本社:カリフォルニア州フレズノ)は、トウモロコシを原料にしたエタノールを生産している。エタノールは、ガソリンと混ぜ合わせて、クルマの燃料として使うことができる。また、同社はエタノールの生産工程で副産物として生み出される化学物質も販売しているが、これはエタノールメーカー各社にとって重要な収入源の1つとなっている。

 今回の投資は、Pacificが今年の第4四半期に開業を予定しているマデラ郡の工場やそれに続く工場建設の資金に充てられる。同社は2008年末までに、米国西部で5つの工場を操業させ、2億ガロンのエタノールを生産する予定だ。

 代替エネルギーの分野に資金を提供するベンチャー投資家は、2年前にはごくわずかだったが、現在では原油価格の高騰や地球温暖化への懸念から、数多くの投資家がこの分野に殺到するようになった。投資対象として人気が高いのは、太陽エネルギー関連の技術と、動物や野菜からとれる生物燃料だ。

 生物燃料に関するアイディアにはさまざまなものがある。Microgyによると、牛の糞尿から天然ガスが生産される可能性があるほか、藻から天然ガスの生産に取り組んでいる企業もあるという。

 さらに、天然ガスや水素をつくり出す微生物の開発できる可能性もある。

 しかし多数の投資家は、そのような投資で利益を上げることは難しいと注意を促している。新興企業には、ShellやGeneral Electricのような巨大な複合企業に踏みつぶされてしまうおそれがある。

 代替エネルギーに関する多くのアイディアは、結局利益を生まないかもしれない。研究者のなかには、エタノールの生産には費用がかかり、それほど効率的ではないとし、一部の企業に別の燃料を生産できる工場を検討するように促す者もいる。また、太陽熱を利用した技術の需要はあるが、これは日本やドイツの政府、そしてカリフォルニアやその他の地域の自治体が太陽電池パネルの購入・取り付け費用に補助金を支給しているためだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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